憧れも風邪をひく3(番外編) ページ15
どれほど眠ったかわからないが寒さで目が覚めた。
久しぶりに風邪を引いたものだから忘れていた。
こんなにも寒いものだっただろうか。
少し厚めの布団が掛けてあるにもかかわらず
Aの身体は小さく震えた。
「寒い......」
そう言うと布団の端がもぞもぞと動いた感覚がした。
「ん......?」
閉じていた目を開け、そちらに向ける。
「あ...」
「何をしているんだい?真一郎」
目を覚ましたAに
しまったとでも言うような顔をした真一郎
「パパが、寒そうだったから」
一緒に寝たらあったかいから、
そう言う真一郎にAは頬が緩んだが、
移してしまう可能性がある。
「真一郎、私といると風邪が移ってしまうから “-----”の所に行ってなさい」
「んーん、パパといる」
“-----”と父をお助けすると言ったからか、なかなか離れない。
時間を見ると13時を少し過ぎたところだった。
Aの寝間着を握って布団から出ない真一郎を見て、
昼寝の少しならいいか、と思い声を掛ける。
「真一郎、では少し昼寝に付き合ってくれ」
「うん!」
満面の笑みを浮かべAに抱き着く真一郎
いつもならすでに昼寝をしていた時間だったので、すでにウトウトとしていた。
先ほどまで感じていた寒さは、和らいでいた。
「真一郎?どこに......あら」
もしやと思い襖を開けると
そこには寝ている父子。
「私だけ仲間外れなんて、許しませんよ?」
そう言い、Aの左隣に寝転ぶ “-----”
「 “-----”」
「起きていたんですか?」
「君なら、一緒に寝ようとすると思ってね」
「これも看病の一つですから」
胸を張ってそう言う “-----”
それを見て笑みを零す。
「私は幸せ者だ」
温かさを感じて目が覚めた。
「ん……?」
目を開けると愛しい子供達が
Aを挟んで寝ていた。
心優しい子供達に囲まれて、
私は本当に
「幸せ者だ」
ありがとう “-----”
私にこんな宝物を遺してくれて
これからも見守っていてくれ
“-----”が笑って
「もちろん」と言った気がした。
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海百合クラゲ(プロフ) - これは、面白いぞ…!もっと伸びてくれ!!!!!!! (2021年6月6日 17時) (レス) id: a38a157b30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月狐 | 作成日時:2021年5月28日 13時