無敵の父【東京卍リベンジャーズ】 (ページ12)

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憧れ11 ページ12

マイキーside

今日、パーが捕まった。
愛美愛主の長内を刺したから

『オレ、自首する』

あのパーの声が頭から離れない。
パーを助けたくて、ケンチンに

『パーを、助けたい』

そう言ったら反対された。

『パーの意志で自首したのに、それを無視すんのか』

なんで？俺はパーを助けたいのに、
なんで、そんな怒ってんの？
だって、ずっと一緒にやってきた仲間だろ？

気づいたら、ケンチンに

『もう知らねぇ！』

そう言って帰ってきた。

「父さん」

こんな声出るのかっていうくらいか細い声が出た。
そんな声でも父さんは聞きとったらしく
こちらを振り返り、首を傾げて答える。

「どうした、万次郎」

父さんの声を聞いて、手が震えた。

「どうしよう」
「パーが、捕まっちゃった、」
「倉庫で長内ってやつ、刺しちゃって」
「パーが、参番隊頼むって、自首する、って」

記憶をたどって状況を説明すると
パーはもう捕まって、暫くは出てこれないっていうのを実感して
助けたいって気持ちが強くなっていく。
焦って呼吸が浅くなる。

「万次郎、落ち着きなさい」

ゆっくり、焦らずに、吸って吐いて

そう言って背中をよしよしとする。
泣きじゃくった子供を落ち着かせるみたいに

「万次郎」

落ち着いたころに父さんが俺を呼んだ。

「春樹は、自分の意志で刺したんだね？」
「うん」
「そして自首するって言ったんだね？」
「...うん」
「頼まれたんだろ？参番隊を」
「......う”...ん」

なら、春樹の意志を守らなきゃ、ダメだ

真っ直ぐに俺の目をみて父さんが言った。
そして

父さんが頭にチョップしてきた。

「いっだｧい！！」
「万次郎、『人の上に立つ対象となるべき人間の一言は、深き思慮を持ってなすべきだ。軽率なことを言ってはならぬ』」
「なに、それ」

ヒリヒリと痛む頭を押さえながら
どこかで聞いたことのある言葉について聞いた。

「私の好きな武将の名言さ」

笑って父さんが言った。

「万次郎、上が犯罪に手を染めてしまっては、下も真似をしてしまう」

それはあってはならないことさ

「うん、」

パーを金で開放することは簡単だ。
でもそれは悪いことで、上にいる俺がそれを良しとしたら
下のやつらも良しとしてしまう。
そうなったら、東卍は金を稼ぐ為なら手段を選ばない
犯罪組織になってしまう。

あ

「そっか、だからケンチンは止めたのか」
「早めに堅と仲直りしなさい」
「うん」

「ありがとう、パパ」
「万次郎、もう一回、パパと」
「いやだ」