無限列車後1 ページ33
天元様の話によると炎柱様は「普通の人間なら即死」だそうだ。上弦の鬼の右腕が鳩尾を貫通し、しのぶさんでも治療ができないため お館様のお知り合いの高名な外科のお医者様が治療にあたってくれたそうだ。
一命は取り留めたものの、意識は未だ戻らない。
言葉を失った。あの日「行かないで」と言えば良かった…このまま意識が戻らなかったら…
その日から 私の時間が止まった。何を見ても綺麗とも楽しいとも思えない。何を食べても美味しくない、むしろ食べたくない。自分でも気づかない間に涙が流れている。脱け殻のような状態で、ひたすら任務をこなした。
「A、煉獄の見舞い行くぞ」
炎柱様にはたくさんの管が繋がれていた。その姿は痛々しいが、お顔は安らかだ。
「なんか、やりきった感 出てんな」
私は黙って頷き、炎柱様のお誕生日の時のように大きな手に自分の手を重ねた。
「帰りに煉獄の家にも寄っていいか、どうしても千坊の事が気になってな」
そうなのだ。千寿��くんは どんな気持ちなんだろう。辛いのは私だけじゃないのに落ち込んで…天元様だって ほかの柱の方もお館も辛いのに。何 一人でひきづってるんだ！私のバカ！！
炎柱様のお屋敷に到着すると千寿��くんが洗濯をしていた。
「宇随さん、A さん、兄のお見舞いにいってくださったのですね。ありがとうございます。俺も後で行こうと思っていました」
「千坊、大丈夫か？」
「まあ、柱になってから兄も留守がちでしたので慣れてはいます」
そうは言っても表情が寂しそうだ。
「親父さんは？」
突然 無気力になってしまったお父様のことだろう。
「父もいつもと変わらずです。心配してくれてありがとうございます」
「ちょっと話して来てもいいか？」
天元様と私は慎寿��さんの部屋へ行く。昼間からお酒を飲み、ゴロゴロしている。ろくでなしか…。私の知っている慎寿��さんではない。
「お久しぶりです」
「宇随か、久しいな。何の用だ」
「杏寿��が大怪我したんで どうされてるか気になったんで…」
「たいした才能も無いのに剣士などなるからだ！くだらない…愚かな息子だ、杏寿��は！！」
私の中で何かがキレた。
バッチィィィーン！！！
気がつくと慎寿��さんに平手打ちをしていた。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 桃平様！うれしいコメントありがとうございます(^-^)煉獄さんは とにかく「かっこよく」「真っ直ぐに」を心がけてます！この先も楽しんでいただけると うれしいです( ´∀｀) (2021年7月6日 19時) (
レス) id: 509f8c3526 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - ここまで楽しく読ませていただきました(*^^*)煉獄さんの気持ちが抑えられなくなってきている様子、ニヤニヤしながら読みました。弐と参もこれから時間のあるときに読み進めたいと思います！猫巻さんの文章、ことばの使い方、大好きです。応援しています(*^_^*) (2021年7月6日 10時) (レス) id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年6月8日 22時
