無限列車乗車前2 ページ31
「そうじゃなくて…。あのその、私 来月17歳になるんです。だ、だから、えっと、炎柱様、任務から帰ったら一緒に祝って下さいっ！！」
やっとの思いで言葉を絞り出す。引き留めることができないなら、せめて『絶対に帰ってきて、お願い』との気持ちを込める。
炎柱様と天元様は一瞬きょとんとした表情になった。
「う、うむ！Aが 望むなら！」
炎柱様、少し顔が赤い。
「派手にストレートな誘い方だな、楽しみにしてるぜ」
天元様はニヤニヤしている。
一度 任務に出たら無事に帰って来れるかなんて分からない。今日、笑い合った仲間が明日 死んでいく。そんなこと柱である二人は痛い程 分かっているのだろう。それでも次に会う約束をして 無事を誓い合う。それが逆に切ない。
「……兎に角、今日は俺の生誕祭だろ。派手に飲めよ！食えよ！祝えよ！」
天元様に煽られて、三人で たくさん食べてたくさん飲んで笑い合う。
別れ際
「帰ったら、また飲もうぜ！」
「Aの祝宴だな！」
「絶対ですよ！ぷれぜんとも期待してますからね！ご武運を…」
三人とも守れるかどうかも分からない約束をして帰途に着いた。
天元様と私は並んで歩く。
「なぁ、煉獄が心配か？」
「…もう、会えなくなる気がして…。理由はないけど不安なんです…」
「女の勘てヤツか。煉獄なら大丈夫だろう。アイツは柱の中の柱だ。ところで俺は心配じゃねぇの？」
「ふふっ、もちろんいつも心配です。でも調査が必要なら私も連れて行ってくれますよね」
「いや、今回は遊郭だ。基本ダメだろ！」
炎柱様、炎柱様。別れた日から毎日 無事を祈る。大切な人の帰りを待つ苦しさが痛いほど分かった。
そんなある霧の夜、何故かなかなか眠れない。そして炎柱様が遠くへ行ってしまう夢を見た。追いかけても追いかけても離れてしまう夢。泣きながら目を覚ます。夜明けが近い。へんな胸騒ぎがした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫巻(プロフ) - 桃平さん» 桃平様！うれしいコメントありがとうございます(^-^)煉獄さんは とにかく「かっこよく」「真っ直ぐに」を心がけてます！この先も楽しんでいただけると うれしいです( ´∀｀) (2021年7月6日 19時) (
レス) id: 509f8c3526 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - ここまで楽しく読ませていただきました(*^^*)煉獄さんの気持ちが抑えられなくなってきている様子、ニヤニヤしながら読みました。弐と参もこれから時間のあるときに読み進めたいと思います！猫巻さんの文章、ことばの使い方、大好きです。応援しています(*^_^*) (2021年7月6日 10時) (レス) id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫巻 | 作成日時：2021年6月8日 22時
