雨の日の任務2 ページ24
鬼との戦闘で隊服がズタズタに破れている。最低限の部分は見えてないが これはまずい！
炎柱様も気づいたようで、少し固まっている。
気まずっ…どうしよう、どうしよう。私も下を向いて固まる。
雨の匂いの中、フッと太陽のような暖かい匂いに包まれる。白い布が目に入る。これは炎柱様の羽織！！！
炎柱様は私に羽織を掛けご自分の隊服の上着の釦を外している。
「？ 炎柱様？？何をっ？？」
「俺の隊服を着るといい、羽織は濡れてしまったが隊服は大丈夫そうだ」
「いえ、このままで大丈夫です。炎柱様に隊服をお借りするなんていけません。炎柱様が風邪でもひいたらどうされるんですか？裁判にかけられてしまいますっ！もうすぐ隠の方も来ますし、本当に大丈夫ですっっ！」
「むう、だが…」
「いや、大丈夫ですっ！」
やり取りが何ターンか続く。
「頼むから、俺のためにも着てくれないか」
語尾に！をつけずに 落ち着いた口調の炎柱様の声。これはダメだ。私は、この声に弱い。
「はぁ、分かりました」
炎柱様は にっこり笑い
「羽織で てるてる坊主みたいになってるな！ちょうどいい、羽織の下で着替えなさい！念のため 俺は後ろを向くことにしよう！」
あぁ 紳士だなあ…。天元様なら確実に「俺が着替えさせてやる」なんていいながら、脱がせてくるんでしょうな。隊服の下のシャツ1枚の炎柱様も素敵だ。そんなことを思いながら私は炎柱様の隊服に袖を通す。炎柱様の匂いと温もりに包まれる。
やっぱり 大きいなあ
炎柱様の隊服の袖は私の手先まで、裾は私のお尻まで隠れてしまう長さ。
着替え終わり纏っていた羽織をお返しする。心臓はバクバクうるさいのに、炎柱様の隊服に包まれていると安心する。
「血鬼術を使う鬼だった故、念のため蝶屋敷で診てもらった方がいいな。送ろう！」
「大丈夫です！自分で歩けます。何より炎柱様のお時間を一隊士の私に割いてもらう訳にはいきません！！」
「しかし 心配だ」
「大丈夫ですっ！」
また このやり取りが何ターン。
「君も頑固だな！だが俺がそうしたいんだ。そろそろ折れてくれないか？」
炎柱様が諭すような優しい声で言う。
「…。はい…」
私がそう返事するや否や炎柱様は私を所謂、お姫様抱っこをする。いつの間にか到着していた隠の方がそれを見つけて おずおずと声をかけてくる。
「炎柱様っ！負傷者は私どもで搬送しますので…お手を煩わせては…」
「いや、問題ない！後は よろしく頼む」
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 桃平様！うれしいコメントありがとうございます(^-^)煉獄さんは とにかく「かっこよく」「真っ直ぐに」を心がけてます！この先も楽しんでいただけると うれしいです( ´∀｀) (2021年7月6日 19時) (
レス) id: 509f8c3526 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - ここまで楽しく読ませていただきました(*^^*)煉獄さんの気持ちが抑えられなくなってきている様子、ニヤニヤしながら読みました。弐と参もこれから時間のあるときに読み進めたいと思います！猫巻さんの文章、ことばの使い方、大好きです。応援しています(*^_^*) (2021年7月6日 10時) (レス) id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年6月8日 22時
