初めての逢引き3 ページ15
炎柱様は左手に甘味が大盛になったお皿、右手で五平餅を持っている。両手が塞がっているのだ。しかも 炎柱様の甘味は串に刺さっているため、あんみつを食べるための匙はない。
要するに、私が自分の使っている匙で炎柱様に あんみつを食べさせるという状況なのだ。つまり『あーん』だ。気付くのが遅い！思わず固まってしまう…どうしよう…。まずい…状況は詰んでいる、このまま照れていても埒があかない。ええぃ！あんみつの一番美味しい所をすくって、炎柱様の口元に運ぶ。多分、私は緊張で上手く笑えてない。炎柱様が匙を加え一口であんみつ食べる。
「うまい！」
そう言って炎柱様は笑い、緊張が解けた私も急に可笑しくなって見つめ合って笑った。
その後、炎柱様とお団子と五平餅を分け合って食べた。炎柱様の家と天元様の家にお土産も買った。このお店も炎柱様の奢りだ。炎柱様はお会計を済ませ戻ってきてくれた。
「失礼！」
突然、口元を指でなぞられる。頭の中が真っ白になる。心臓がまろび出てしまいそう。
「五平餅の味噌が付いていたぞ！」
「きゃー！恥ずかしい」
恥ずかしさのあまり思わず顔を手で覆ってしまう。本日2度目の『穴があったら入りたい』だ。
「気にするな、君は なかなか可愛らしい所があるな」
その後、少し散歩をしてから帰路に就いた。
今度は炎柱様が自分の話をしてくれた。初任務の時の話、柱に就任した時の話、ご家族のこと。私の知らない10年弱の間、この方は ずっと一人でたくさんの事と戦ってきたんだ。私みたいに 周りに甘えてばかりの人間じゃない。なんだか遠い人に見えて少し寂しくなってしまった。
一瞬、炎柱様の手と私の手が触れ合う。気恥ずかしさを紛らわすように 私は巾着の紐を両手で握り締めて歩いた。
宇随邸に到着した。
「今日は楽しかったです。お忙しい中、わざわざありがとうございました」
「こちらこそ今日は楽しかったぞ。また非番の折りには誘ってもよいだろうか？」
「私で良ければ喜んで！」
「では、またな！」
炎柱様を見送った後、宇随邸の玄関を開けた。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 桃平様！うれしいコメントありがとうございます(^-^)煉獄さんは とにかく「かっこよく」「真っ直ぐに」を心がけてます！この先も楽しんでいただけると うれしいです( ´∀｀) (2021年7月6日 19時) (
レス) id: 509f8c3526 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - ここまで楽しく読ませていただきました(*^^*)煉獄さんの気持ちが抑えられなくなってきている様子、ニヤニヤしながら読みました。弐と参もこれから時間のあるときに読み進めたいと思います！猫巻さんの文章、ことばの使い方、大好きです。応援しています(*^_^*) (2021年7月6日 10時) (レス) id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年6月8日 22時
