二十五話 甘味な声 ページ26
胡蝶がAの首元に腕を動かしたその瞬間、穏やかな声が辺りに響いた
「そこまで」
その声と共に拘束が緩まり胡蝶含め柱の全員が跪いた。何事だとAは声がした方に顔を向ける
その声の正体は物腰柔らかそうな男だった
男はAを見て目を細め笑みを作ると優しい音色で話し出した
「手荒な真似をしてしまって申し訳ない」
そう言うとAを拘束していた男が焦ったように口を開く
「お館様が謝る必要はございません!」
「実弥、しのぶ、確かに私は事情を聞いてくれと命令したがこの様な無理矢理なやり方は望んいでいないよ」
お館様と呼ばれる男が咎めるように言うと二人は親に怒られた子供のように顔を竦めた。その光景がAは面白かったのか思わず吹き出してしまう。そしたら胡蝶が何が面白いんですか、と黒い笑みを浮かべて言うものだからAはいえ何も、と冷や汗を垂らしながら視線を逸らした
「だがしかしお館様!この子供は鬼との関係を隠している!心から尊敬するお館様のお言葉であっても俺は無理やりにでも吐かせることを推奨する!」
焦点の合わない橙色の髪をした男がそう告げると周りからも賛成の言葉が飛び交った
しかしお館様が人差し指を口元に立てると直ぐに静まる
「私からここで一つ提案を持ち掛けたいところだけど、その前に挨拶がまだだったね。私は産屋敷耀哉、鬼殺隊の最高管理官をさせてもらっている。君の名前を教えて貰ってもいいかな」
Aは産屋敷の声を聴き頭がふわふわした感覚に陥る。自分に問われていることに気付き産屋敷を見るが、どうしてもその姿や声を聞くと甘味のように体に浸透して眠気が襲った
しかし、黒死牟以外には強気なA、ここで引く訳にはいかない
「言わない」
本当なら産屋敷は把握していてもおかしくないのだが、何せ育手が不明で出生も不明なAはイレギュラーなのだ
産屋敷に失礼な態度をとったAは実弥と呼ばれた男に頭を掴まれて地面に叩きつけられる
「実弥」
「すみません、しかしお館様にこの様な態度は許すことができない」
見た目に反して丁寧な言葉を使うんだなとAは思う反面、やはりお館様の声は甘味だ、と額から血を流して思うのであった
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あんこ(プロフ) - あ、あの…ホームページの方を今読んできたのですが…占ツクのも、そちらの方も、尊くて死にそうになりました…今回の占ツクの方の更新すごく嬉しかったです。更新、無理せず頑張ってください! (2019年11月6日 1時) (レス) id: c12f380ffd (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - 非常食の玲音__腐__低浮上さん» ありがとうございます!!! (2019年11月5日 18時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)
非常食の玲音__腐__低浮上 - やっぱりいいですね、、、この小説()とても好きです(白目) (2019年10月24日 21時) (レス) id: 8d59e0f155 (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - にゃさん» わざわざホームページから飛んできて下さり感謝です!こちらではホームページとは内容が違いますのでこちらもホームページの方も楽しんで頂けたら幸いです♪ (2019年10月19日 19時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - 非常食の玲音さん» ありがとうございます♪♪ (2019年10月19日 19時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:聡舍 | 作成日時:2019年8月15日 16時