作り笑いが21 ページ23
Aside
そんなこんなで早1ヶ月。
私は対して変わらない生活をしていた。本丸も特に変わりはないが、見習いが皆の輪に入っているのとそれ故に騒がしくなった。
見習いとも距離は前のようには近くない。彼女から私に話しかけることも減った。ありがたい。
私も仲良くなってくれてとても助かる。情がないのもあるからこそ、私は気持ちの良いままここを出ていくことができるからだ。
けど私の体には変化があった。鼻血を出す頻度が増えて、頭痛や吐き気に襲われることもあり、仕事をしながら気を失うこともあった。
こう生きているのが奇跡と思いながら仕事をしていた。本当は病院に行かないといけない。それもせず仕事没頭していた。
この日に限って体調のピークが達して体が悲鳴を上げていた。
だから誰かと関わりたくなかったのだ。
なのに見習いはいつもとは違って声もかけず私の部屋に入ってきた。
志緒「A様!私がここの審神者になるってどういうことですか!!」
劈くその声に嫌気をさしながらも笑顔を作る。
「そのままの意味ですよ、見習い様」
志緒「そんな、!!私はここに見習いとして来ました!だからここの審神者になんてなりません!」
彼女は知らなかった。知らない感じだったしのは気づいていたからあえて言うつもりもなかった。
彼女を巻き込んでしまったのは申し訳ない。
「これは政府の決定です、私たちがとやかく言うことは出来ないでしょう」
悔しそうに悲しそうに怒る見習いは本当に表情豊かだ。
志緒「A様はそれでいいんですか!?ここはA様の本丸でしょう!?」
この言葉に少し反応してしまう。
私の本丸。確かにここは私の本丸かもしれない。
「…私は政府の決定に従います、ご用が済んだのなら部屋にお戻りください」
志緒「A様!」
「お戻りください」
志緒「っ、…」
見習いは俯いていた。私はそんな彼女をただ笑ってみているだけだ。傍から見たら不気味は構図だろう。
志緒「A様の気持ちがよく分かりません」
「…そうですか、っ!?」
急な心臓の痛み。その痛みに耐えられなくて笑顔を崩す。
見習いも私を見て察したのだろう。私の方に駆け込んで私の名前を呼ぶ。
ズキズキと心臓は痛くて変な汗が出てきた。息もできない。
痛い、苦しい、なんで。
目の前が真っ暗になって、見習いの声も聞こえなくなった。痛みだけが私を支配した。
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作者名:一ノ瀬ミルク | 作成日時:2022年9月18日 0時