作り笑いが16 ページ18
Aside
会話も弾まない道のりを二人で歩いた。そういえば万事屋に行くことを誰にも伝えてないことを思い出した。見習いもいるから問題はないだろう。
万事屋について必要なものを籠に入れていく。洗剤も手に取って入れようとしたら山姥切国広が別の洗剤を入れていた。
山姥切「最近はこっちを使っている」
「でもこちらの方が手は荒れませんよ」
山姥切「だが、こちらの方がいいと言っていた」
私の持っていた洗剤は山姥切国広が棚に戻していた。この洗剤は手が荒れる代わりに安い。私が持っていた洗剤の方がいいに決まっている。なんか腹が立ち戻した洗剤を籠入れた。山姥切国広に見せつけるように。
山姥切「主、だから」
「安い物なんていりません、こちらの方が手もいいので」
山姥切国広も渋々承知した。無いと言っていた調味料もストック分まで買い、後はお菓子も何個か買ってく。和菓子に洋菓子、駄菓子までもカゴに入れていく。
自分が食べる用と刀剣男士が食べる用だ。見習いの分もカゴに入れる。
山姥切「そんなに菓子を食べるのか」
「私が食べる訳ではありませんよ、これは皆様の分と見習い様の分です」
山姥切国広は黙って布を少し引っ張って顔を隠した。
「山姥切国広様はどんなお菓子が好きですか」
山姥切「菓子は食べない」
「そうですか」
お会計をし、袋に買ったものを詰め込んでいく。彼もやってくれて早く終わった。大きい袋が3つもあるのに山姥切国広は3つとも持っていた。
「山姥切国広様、私も持ちます」
グイッと袋を2つ引っ張るが全然ビクともしない。見た目によらず力はあるようだ。華奢な感じしていた。
山姥切「いい」
「山姥切国広様は遠征から帰ってきたばかりですし」
山姥切「疲れてないし、写しにはちょうどいいだろ荷物係なんて」
彼はこんなにもひねくれていただろうか。
そう疑問に思うくらいに私の理想の山姥切国広は違っていた。こういう刀だということは知っていた。いやでも個体差とかあると思っていたし、少なからずこの本丸の彼はまだ素直な方なのだと思っていた。
彼も山姥切国広という刀なんだと感じる。
「一つだけでも持たせてください」
笑顔で荷物を1つ引っ張る。しつこくお願いすれば荷物を一つだけ渡した。お菓子ばかり入っている袋だからさほど重くは無い。
「ありがとうございます、後でお礼を致しますよ」
そう言うと少し驚いて山姥切国広は俯いた。
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作者名:一ノ瀬ミルク | 作成日時:2022年9月18日 0時