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作り笑いが12 ページ14

Aside

結局いつもの6時に起きてしまった私。でも気配は消えていてその上窓も閉まっていた。毛布を掛けられていた。それ以外には特に変わった様子はない。

そんなこともあって仕事は進まなかった。今日に期待するしかない。

万年筆を持ってカリカリと文字を書く。戦績の報告書である。こういうのは近侍の仕事らしいが私も苦戦した事務作業をやらせる訳には行かない。

本音は近侍の仕事も増えることにより一緒にいる時間が長くなる。それが1番嫌だったけど。

今は近侍も置いてないから近侍の仕事全てやらないといけない。資材の確認もしないとだ。


志緒「A様!見習いの志緒です!」


時計を確認してまだ8時だった。いつも通りに窓も閉め作り笑いをする。


「お入りになってください」

志緒「失礼致します!!」


障子が開いて元気な見習いが笑って入ってきた。私の隣に座ってくる。近くに座るので話ずらい。


「朝早かったですね、よく眠れましたか?」

志緒「はい!!気持ちよく起きれました!!」

「それは良かったです」


会話は一度そこで無くなった。座学に入ろうとしたがそれは見習いに遮られる。


志緒「A様こそ、昨日はよくお眠りになられましたか?」

「えぇ、とても」

志緒「昨日は夜風がとても気持ちよかったですね!風邪を引かないようにって歌仙さんが持ってきてくれたんです」


そう言うから昨日かけてくれたのは歌仙兼定ということだ。それにしても歌仙兼定のことを歌仙さんと呼ぶということはそのくらい仲良くなったということだろう。

私が離れても大丈夫そうだ。元々から感じる高いコミュニケーション能力。私にはないものである。羨ましいというよりかは安心の方がある。


「そうだったんですね、皆様と仲良くなって私も嬉しいです」

志緒「でもここの皆さんはA様のことがお好きですね、皆さんA様のことをよくお話しなさるんですよ」


どこが好かれるポイントなのか分からない。今はその言葉に対してありがとうございます、としか返せない。


「ではそろそろ審神者について学んでもらいましょうか、まずは────」


早速私は見習いの方に審神者について、刀剣男士について、本丸についてを話した。今日は座学。

数時間ではあるが見習いはとても飲み込みが早い。

質問も的確で教養がとてもある。私はそこまで頭がいいわけでもないから少しだけ嫉妬してしまう。

そんな憂鬱な午前中だった。

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作者名:一ノ瀬ミルク | 作成日時:2022年9月18日 0時

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