作り笑いが19 ページ21
Aside
めんどくさいのが来てしまった。
見習いのことは元々から苦手だからこういう時に来られると困りものだ。朝食でも食べてくればいいのに。
「すみません、今着替えをしているので大広間で朝食を召し上がっていてください」
志緒「お待ちしております!A様も一緒に行きましょう!!」
そんなのはいいから早くどっかいけ。
何を言っても通じなさそうだが、それでは困る。不機嫌かつ睡眠不足かつ体調の悪い私があんなところに放たれたらめんどくさいくなるはずだ。
めんどくさいのは嫌いだ。
「大丈夫ですよ、私は朝食を食べないので」
志緒「それではA様のご体調を崩してしまいます!いつまでも私は待てるので!」
待たなくていいからどっか行って。
ほんとにほんとにむしゃくしゃしていきた。かまわないで欲しいと遠回しで言っているのだがそれに気づかない彼女。
さぞかしいい両親に恵まれ、たくさんの友人に囲まれ、愛を貰ったんだろう。
いい子は好きじゃない。こんな年になるまでいい子は嫌いだ。
「…気持ち悪い」
別の巫女服に着替えて1度部屋を出た。そこにはニッコリと可愛らしい笑顔で見習いが立っていた。
志緒「A様!行きましょう!」
私の手を掴んで見習いは歩き始めるが私は止まったままだ。見習いも頭に?を浮かべている。
「すみません、私がちゃんと言うべきでした」
志緒「なにがですか?」
「私は皆様と食事はしないんです」
まだ理解出来ていない見習い。へ?と声を出した。それに追い打ちをかけるように話す。
「食事している暇はないからです、そのくらい審神者の仕事は大変なものです、私の時間に合わせてしまっても迷惑をかけるだけなんです、だから今後、私を食事に誘わないでください、私は1人で食事していますし、それは前からでもあってこの先ずっとです」
手を離してニコッと見習いに笑いかける。見習いは先程の笑顔が嘘の様に怖がっているように思えた。
「長く手を握ってしまってすみません、でも言っておいた方が良いと思いまして」
志緒「い、いいえ、私の方こそ、知らずにごめんなさい」
「ではお食事してきてください、本日は刀装と鍛刀についての説明を致しますので」
志緒「わ、分かりました」
逃げるように見習いは行ってしまった。それの入れ違いのように次は三日月宗近が現れた。
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作者名:一ノ瀬ミルク | 作成日時:2022年9月18日 0時