お花畑で捕まえないで！2

それなりに。 ページ7

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和也がそう言うと、キリギリスは何故か急に真顔になって早口に言い返しました




キリギリス「知ってる。精霊の湖の畔に住んでる赤トンボの王子だろ。こいつの撫で肩とヘタレはそれなりに有名だよ。」


翔「……………」(←非常に複雑な気分(笑))


和也「ふぅん…知ってるんだ。

それなりに、物知りではあるみたいですね」


キリギリス「………」




キリギリスは和也の言葉には何の返答もせずに

真顔のまま、智の方を向むと、さっきまでとは打って変わって静かに語り出しました




キリギリス「知っていますよ、ボクは風の噂を聴くことが出来るから。

だから、智殿下、貴方が此処に何をしに来たのかも、知っています。」


智「そうなの？それなら話は早いね」




キリギリスの話を聞いて嬉しそうに智がそう言うと

キリギリスは、ため息をつきながら首を横に振りました




キリギリス「残念ながら、智殿下

ボクは貴方の期待に応える事は出来ません」


智「え？…どう言うこと？」


キリギリス「…異世界への入り口の詳しい場所を知っているのは、妖精王の他は、この世界で一番物知りの大おばば様しか居ないのです

ボクはただ、風たちが冬の庭に異世界の入り口があって、時たまその異世界の住人が迷い込むらしいと噂していたのを聞いただけなので」


智「そうなんだ…」


キリギリス「…しかも」




キリギリスは、残念そうにしている智に向かって、言いにくそうに小さな声で言いました




キリギリス「…しかも、唯一秘密の入り口の場所を教えてくれるかも知れない大おばば様の命は…

…もう、幾ばくもない筈です」




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