お花畑で捕まえないで！2

物知りキリギリス ページ5

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雅紀「こんちわー！物知りキリギリスくんは居ますかー？」




山葡萄の茂みを掻き分けて進みながら、雅紀がキリギリスを呼ぶと

茂みの奥の方から、歌うような陽気な声が聞こえてきました




キリギリス「へぇ〜い、誰だぁ〜い♪

ボクを呼ぶのはぁあ〜♪」


雅紀「あ、キリギリスくん！

おれだよ、雅紀だよ！！」




声のした方に雅紀が大きな声で名乗ると

ガサゴソと音を立てて、茂みの中からシルクハットを被ったキリギリスが顔を出しました




キリギリス「へぇ〜い♪

君は昨日の迷子の仔蜂ちゃんやないかぁ〜い♪

無事、お家には帰れたのかぁ〜い♪」


雅紀「うん、その節はお世話になりました。」(←お行儀よくお辞儀をしている)


キリギリス「へぇ〜い、顔を上げなよセニョール♪

ボクぁただ噂話をしたたけなのだからぁ、礼にはお〜よばないさぁ♪」


智「んふふ、何だか面白いキリギリスさんだね(笑)」




一々節をつけて歌うように話すキリギリスを見て、可笑しそうにクスクス笑う智


キリギリスは、その智の方に目を向けると

片手でシルクハットを取って胸に置き、方膝を曲げて挨拶をしました




キリギリス「はぁ〜い、これはこれはお初にお目に掛かりますぅ〜♪

貴方様は、妖精王の一粒種であらせられる、智殿下でござぁいますね〜♪」


智「君、僕を知ってるの？」


キリギリス「はぁ〜い♪

直にお顔を拝見するのはぁ今が始めてぇで御座いまするがぁ〜♪

存じ上げてますですよぉ、はぁ〜い♪」




キリギリスはそう答えながら立ち上がると

シルクハットを器用にくるっと一回転させて、頭に被りました




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