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ﾚｵﾅ「俺達は2年連続でマレウス率いるディアソムニア寮とトーナメント1回戦でぶつかった。━結果、初戦敗退。優勝常連。敵を力でねじ伏せてきたサバナクロー寮がまるで目も開いてねぇ仔猫みてぇな有様だった。その無様な姿が全世界に放映されちまったわけだ。結果、どうなったと思う？寮長は無能の烙印を押され、サバナクロー寮生へのプロリーグや一流企業からのスカウトはゼロになった。」
寮長が話し終わって少し戸惑ったが俺は
「それは……その、自分たちの実力が足りなかったせいでそうなってるのでは……？」
と発した。兄さんも横でうなずいてくれている。
ﾚｵﾅ「お前の言う通りだ。」
ｼﾞｬｯｸ「ならもっと」
ﾚｵﾅ「去年までの俺たちは本当の意味で人事を尽くしていなかった」
兄さんも同じようにもっと練習すればよかったということを伝えようとしたのだと思う。しかしそこに寮長が口を挟んできた。それもあまり良くなさそうな反応で。
ﾚｵﾅ「バケモノ相手に真っ向勝負を挑むなんざ考えなしの馬鹿のやることだ。」
ﾚｵﾅ「負けると分かっているのになんの策も講じないなんて。」
ﾚｵﾅ「百獣の王の不屈の精神に基づくサバナクロー寮が聞いて呆れるよなぁ」
ｼﾞｬｯｸ「だからって、、あんな闇討ちみてぇな卑怯な真似をするのは、間違ってる！」
ﾚｵﾅ「間違ってる？ジャック.....．俺はな、お前たち寮生のことを一番に考えてやってるんだぜ？」
ﾚｵﾅ「マレウスを打ち破り、今までの雪辱を果たせば世間のサバナクロー寮への評価は回復するだろう。今年勝てなければ、マレウスは殿堂入り選手になることが決まっている。これが最後のチャンスなんだ。それをテメェらは安い正義感でつぶすって？」
ﾚｵﾅ「お前らは先輩たちの未来を台無しにしたいのか？」
ｼﾞｬｯｸ「そ、それは……！」
「……」
兄さんはとても正義感が強い。そのせいもあってか寮長が゛先輩たちの未来が掛かっている゛という言葉によって黙ってしまった。これから長い人生を大きく左右してしまうこの行事。たった二人の意見、考えで変えていいことではない。
確かに悪いことだが、皆のためにしている。それを一括りに悪い事と言ってしまえることなのか。こんな卑怯な方法で手に入れる勝ちとはどんなものなのか。俺は分からなくなってしまいつつある……
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年4月10日 21時
