もう1匹のオオカミさん (ページ13)

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ﾗｷﾞｰ「シシシッ！当たり前っスよ。獲物はひとかけらだって残さずかたずけるのがハイエナのポリシーッスから。」

先輩は皮肉気味に話していた。スラム出身だと聞いた。しかもハイエナの獣人。しかし王族で寮長のレオナ先輩に気に入られていることもあって恨まれたりそれに関する問題も起きたのではないだろうか。

どちらも俺の予測の範囲に過ぎないがハイエナだからという理由だけでなく、レオナ先輩との関係もあり証拠や手掛かりとなるものがあまりなかったのではないかと思う。

ﾗｷﾞｰ「ところでレオナさん。次の獲物ッスけど、どの寮の誰にしましょうか？」

これは聞かなければと思い二人して少し身を乗り出して聞こうとしていた。すると

ﾚｵﾅ「人の話をこそこそ立ち聞きしている狼たちなんてのはどうだ？」

ﾗｷﾞｰ「えっ？」

と驚きの返答がきた。

ﾚｵﾅ「いるんだろ、なぁ？１年坊ども。そんなにでけえぇ耳して立ち聞きとは趣味が悪いぜ。」

ラギー先輩にはバレていなかったようだけれどレオナ先輩にはバレていたようだ。

どちらにしても今の発言でここに居ることはバレてしまったけれど。

ｼﾞｬｯｸ「「……………」」

兄さんに続いて先輩達の前に立つと何を話せばよいのかわからず少しの沈黙が広がった。

少しするとレオナ先輩が凄くニヤニヤしていらっしゃることに気づいた。何をするつもりなんだろう。

ﾚｵﾅ「こんな夜更けに何の用だ？ホームシックで子守歌でもねだりに来たのか？」

ﾗｷﾞｰ「オレが歌ってやろーか？シシシッ！」

二人ともニヤニヤしながら挑発してきた。

ｼﾞｬｯｸ「俺らは理由が知りたい。あんたたちは何故こんなことをする？」

兄さんは精一杯堪え先輩たちに質問をしている。

ﾚｵﾅ「なるほど。寝物語をご所望か。いいぜ、話してやるよ。」

そういって寮長はマジフトでのことを話し始めた。