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ｼﾞｬｯｸ「正直に言うと俺も少し不安だったんだ。
相手は寮長だ。これからの寮生活が辛くなるかもしれねぇし、そもそも俺らが動いてどうなるかもわからねぇ。」
と暗い顔をして兄さんが話しかけてきた。
やはり俺もついて行くことにして良かったんだと思う。
話していると思っていた以上に時間が経っていた。
「そろそろ寮長の部屋に行った方いいんじゃないか？あんまり遅すぎても話し終わっちまうだろうし。」
ｼﾞｬｯｸ「そうだな、行こう」
こうして寮長の部屋に行くことになった。
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寮長の部屋ではやはり作戦会議が行われていた。
俺たちは耳がいいから少し離れているがしっかりと聞き取ることが出来た。
ﾗｷﾞｰ「レオナさん、お疲れさまッス。
お夜食持ってきたッスよ。
ついでに一仕事こなしてきたッス。」
これで寮長達が犯人だったことがわかった。
そして、また1人の選手が怪我させられてしまった。
兄さんが少し睨んでいる。無意識なのだろう。
ﾚｵﾅ「あぁ、お前は気が利くなぁ、ラギー。」
それは気が利くというよりも弱肉強食のこの寮で強者に気に入られれば安全に過ごせるという考えからでは･･････？
ﾗｷﾞｰ「そりゃもう。レオナさんのためならお安い御用ッス。」
ﾚｵﾅ「はっ、よく言うぜ。自分のためにやってんだろ、お前は。」
やはり忠誠心ではなく自分の利益のためだったと分かって聞いていたようだ。
流石、寮長なだけあるなと思うのと同時に少し複雑な気持ちになった。
なぜこんなに凄い人がマジフト大会に向けて練習をするのではなく相手を傷つけるのか。
確かに相手を弱らせるには選手を使えなくしてしまうのが手っ取り早いのかもしれない。
しかし、犯人だと解られてしまったら出場出来なくなる。
寮長ならそれくらいのことはわかっているはず。
それでも寮長をこうさせている大きな理由があるのだろうか。
ﾗｷﾞｰ「･･････やだなぁレオナさん。オレたちのため、ッスよ。」
ﾗｷﾞｰ「世界をひっくり返してやりたいのはみんな一緒ッス。」
ﾗｷﾞｰ「伝説の百獣の王と手を組んだハイエナだって、自分たちの境遇をひっくり返すために百獣の王に従った。」
ﾗｷﾞｰ「オレも同じことしてるだけッスよ。」
ﾚｵﾅ「ふん。なら『狩り』は慎重にやれ。証拠を残すな。」
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年4月10日 21時
