【Twisted Wonderland】優秀な放浪者 (ページ41)

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40話ページ41

sideA

｢……ぬ｣

｢……犬｣

クルーウェル｢仔犬っ！｣

ん？

クルーウェル｢俺の授業で寝るとは良い度胸だな、Bad girl。｣

あぁ、授業中か。

A『ん～……』

クルーウェル｢らしくないな、そんな駄犬に育てた覚えはないぞ。｣

頭が重い……

クルーウェル｢……｣

ボッーとする…

クルーウェル｢……具合悪いならそう言え。手のかかる仔犬だな。｣

先生の手が頭に乗る。

クルーウェル｢仔犬共！今から自習だ。騒いだら厳しく躾けるからな！｣

いつも持ってる杖をしまって

クルーウェル｢…しっかり意識を持てよ。勝手に魔法石になるなんて許さないぞ。｣

そんな簡単にならないと思うけど。

クルーウェル先生がオンボロ寮まで運んでくれた。

A『せんせぇすき』

クルーウェル｢そんな簡単な言葉で甘えられるのも悪くない。｣

軽く笑って私をベッドに寝かせる。

ベッドの隣に座って見守られてる。

sideクルーウェル

仔犬が授業中に寝るなんて……

頬や腕には真珠のような鱗が顕になる。

クルーウェル｢……仔犬の看病も飼い主の義務だな。｣

額に触ると少し熱い。

クルーウェル｢仔犬…｣

クロウリー、もしここでこの小さな白い仔犬が虹色の魔法石になりつつあったら助かる見込みはあるのか？

クルーウェル｢……仔犬…｣

学園長｢おや、先客が。｣

なっ！

クルーウェル｢クロウリー…｣

学園長｢今の時間は授業では？｣

クルーウェル｢仔犬が具合悪いからな、面倒見るのも主人の務めだ。｣

学園長｢おやおや。｣

可笑しそうに笑う。

日差しが強くなってきたな……

学園長｢…虹色の魔法石を持ってるのに日差しがこんなにも強いという事は……｣

仔犬の鱗が虹色に光始めた。

学園長｢！？｣

クロウリーは慌てて

学園長｢Aさん！目を覚ましなさい!!魔法石になるなんて許しませんよ！｣

仔犬に駆け寄る。

クルーウェル｢Wake up！｣

徐々に身体が冷たく石になるような肌に変わる。

A…！

身体を揺さぶられる。

｢…い｣

｢…せい｣

A『先生…うなされてたよ？大丈夫？』

仔犬のベッドに寄りかかって寝ていたようだ。

クルーウェル｢体調は？｣

A『大丈夫だと思う。』

A『先生、疲れてる？ごめんね、重かった？』

仔犬に心配させるとは俺の力不足だ。

クルーウェル｢仔犬の看病も主人の務めだから心配するな。｣

頭を撫でるとAは笑う。

この甘い時間を少しだけ堪能させてくれ。