六通目 1 ページ8
ーー×××
「太宰大変だAが‼」
国木田君が大声で私を呼ぶ
顔色が悪い
焦っていることが嫌でもわかる
昨日の予感が頭をよぎる
Aが大変
それだけで 何が起きたかわかった
国木田君に連れられ向かった先は
ーー何故ここに君がいるのか
君と初めて会った場所
街外れの川のほとり
橋にもたれかかっている君の周りには
明らかに致死量の血が広がっていた
「…Aっ」
走って駆け寄り
抱き起こした
君の体は血色がなく
軽かった
「A‼A‼」
呼んでも返事がない
もう駄目なのかと思った刹那
「……太宰さん⁇」
と
か細く良く聞かないと聞き取れない声が
耳に響く
私にはそれで十分だった
「嗚呼、太宰だ‼どうして、こんな…。」
私の作戦が駄目だったのだと
思い詰めてるのを察したのか
君は私に手を添え
「貴方は悪くないです。街の平和も探偵社の地位も大丈夫です。しくじった私が悪いんです。」
だから思い詰めないで下さい。
と必死の笑顔を私に見せる
「大丈夫なんかじゃない‼まだ助かる‼今…与謝野女医を呼ぶから…」
国木田君に呼んでもらおうと声をかけ
国木田君も呼びに行こうとした
その時
「聞いて。」
と
今にも死にそうなのに
さっきと違う凛とした声が私に届く
ーーかつて 私が最後を看取った
旧友が云っていたように
それは国木田君にも届いたみたいで
そこに立ち竦む
「もういいんです……。」
「太宰さん。私は貴方を恨んでいません。だから…」
どうか自分を責めないでほしい
そう君は云った
国木田君はそれでも行こうとするから
止めた
どのみち 呼んだところで
助からないことを私も理解していたから
だから 今 聞きたいことを聞いた
「…どうして、君はいつも私を落ち着かせてくれる言葉をかけるんだい?」
君が一番辛いはずなのに
私は君に救済されていたんだと
改めて思う
涙が自然と落ちる
「……それは、貴方が大好きだから。
貴方に幸せになってほしいからです。」
また 笑顔を見せる
涙は溢れて止まらない
強く抱きしめる
ーーあの時 抱きしめた感覚じゃない
暖かさもない
冷たくなっている君の体が
君の命がもう無いと物語っていた
「貴方の胸の中で眠れるなんて
私は幸せ者ですよ…。」
なんて
酷いことを云うものだから
「そんなこと…
私は君を不幸にした…。
幸せにする資格なんてなかったんだ。」
そんな人間がプロポーズなんて馬鹿げてる
そう思ってた時に君は突拍子も無いことを言った
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名無し41187号(プロフ) - オリフラ外した方がいいと思います (2018年8月12日 22時) (レス) id: 64f15338eb (このIDを非表示/違反報告)
空と風と桜 - オリフラ外してください。良いお話だと思ったのに、もったいないですよ (2018年8月9日 21時) (レス) id: 3a1b992cfd (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です。まずルールをちゃんと理解してから作品を作るようにして下さい (2018年8月9日 19時) (レス) id: 6b2c4ad054 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - オリフラ外さないと低評価来ちゃいますよ! (2018年8月9日 12時) (レス) id: 96702bc302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ü | 作成日時:2018年8月9日 12時