追憶の手紙は

四通目 ページ6

大きなクリスマスツリーの前に
不貞腐れてる君を呼んだ

この日まで 話してなくて
すごく気まずかったけど
ちゃんと謝りたかったし

決意をつたえたかった

「私が、悪かった。私はね、どんな女性よりも君を…Aを愛している。
だから、女癖は改善してみせる。
だけど、君がもし、私を嫌いになったり、幻滅していたら、正直に云ってくれないかい？その方が…」

私は話を止めた
だって、君が泣きながら私に抱きついているのだもの。

「いろんな女性のところに行っては口説いてくるものだから、私のこと、見てくれてないんだろうなって、不安になったし、悲しかった。でも…」

泣きながら話す
罪悪感にまみれてしまったのを覚えてる
でも 君の次の言葉でそれが和んだ

「私は、太宰さんが大好きです。
どんな人より大好きなんです。」

私が求めてた言葉
安心できた言葉
嬉しい言葉

それを云ってくれた君が愛しすぎて
君を抱きしめた

雪が降りだす

寒かったけど
抱きしめていると暖かかった

まだ 温かかった君の体温を感じられたし
心も温まった

「痛いよ、太宰さん。」

愛しかったんだもの
私は君のことを強く抱きしめすぎたのだね

君の顔を見る

太陽のように輝く君の笑顔が
とても良く心に残っている


そして、記念に写真を二人で撮ったよね

五通目→←三通目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す