トリップ少女は奇術師の最愛の彼女のようです。●◇伍◇●

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「いい、けど・・・」

「やったぁ！」

心底嬉しそうにはしゃぐカルトちゃんに、疑問を覚える。

何で急に・・・？

それに、妙に違和感がある。

しかし、目の前の少女は嬉しげにはしゃぐばかりで。

・・・考え過ぎかな？

結論としてはそれだけである。

しかし、僕が施行を巡らせている最中にカルトはキキョウに目配せをしていた。

いくらゾルディック家とは言え、何もなしで意思疎通というのは難しい。

しかし、考えが一致している２人は例外であった。

怪しく笑うカルトに、キキョウはすべてを察す。

『兄様がダメなら、ボクがいる』

そんな言葉が頭に流れていくようだった。

キキョウは少し考え、にっこりと笑みを返した。

カルトの年齢は１０歳と幼い。

しかし、２歳違いの兄が婚約をする予定だったのだから婚約をさせることは簡単である。

呼び名からしてカルトを女だと勘違いしているAを、お風呂場で襲うなど造作もないことだ。

そして何よりも、ゾルディックは彼女の力を欲していた。

「「(どこの馬の骨かもわからない輩に、A/お姉さまを盗られてなるものか！！)」」

カルトとキキョウは意見が一致していた。

それは意思疎通の術がなくとも通ずるほどに・・・

そんな２人のたくらみを、Aは知らない。

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