●◇〜１９４〜◇● ページ28
踏み台にしていたビル群の内の一棟から地面に降りる。
スタ、という僕の足音が響く。
２人の降りる音はしなかった。
――――・・・暗歩、か
カルトちゃんは確か、まだ１０歳だったはず。
そんな彼女は何の気なしに使えるほどにまで、自身の気配を消す方法を心得ているのだ。
可哀相、とは言わない。
羨ましい、とも思わない。
ただ、ひとつ思うのなら・・・
『悲しい』だろうか。
「お姉さま、この扉のシステムはご存知ですよね？」
「うん、開ければいいんでしょ？・・・全力で」
目の前に聳える扉を見上げる。
この一家の職業は『暗殺』。
その報酬を糧に彼らは生きている。
「じゃ、いくよ」
グ、と腕に力を入れる。
更にその腕に出せる限りのオーラを込め、グイっと押した。
ギギギ・・・、と音を立てて開いたのは「�掘廚判颪�れた扉までだった。
「っく・・・」
僕が開けたスペースを三人で通る。
・・・こうしないと、この家に入ることは認められない。
なぜか？
殺し屋のアジトだからだ。
なぜ殺すのか？
依頼があるからだ。
なぜ依頼をするのか？
殺したいからだ。そして、その殆どは依頼主の勝手な欲望の性だったりする。
その欲望とか言うくだらない人間の私欲のために、１０歳の幼い少女も血で手を染める。
それが、堪らなく『悲しい』のだ。
「お姉さま、流石です」
「・・・そう？キルアはもっと開けるでしょ」
「まぁね。でもそれは訓練してるからだ」
そんな会話に、内心舌打ちをしてしまったのは僕の自己満足だ。
『悲しい』なんて、彼らは思っていない。
同情される義理も、無い。
それに彼らは生きるためにしているんだから・・・
生きるために殺しているんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七宝蝶nif(プロフ) - 方瀬梨乃さん» そうかーネタバレは楽しみがなくなるからね＼(^o^)／梨乃ちゃんの小説見るの楽しみ！ (2015年3月27日 1時) (
レス) id: 0f03a94449 (このIDを非表示/違反報告)
方瀬梨乃(プロフ) - 七宝蝶nifさん» 嬉しいww あのね、話したいけどネタバレになっちゃうから内緒(笑) (2015年3月27日 0時) (レス) id: f1289bce29 (このIDを非表示/違反報告)
七宝蝶nif(プロフ) - 続けて欲しい！！ (2015年3月27日 0時) (レス) id: 0f03a94449 (このIDを非表示/違反報告)
方瀬梨乃(プロフ) - 七宝蝶nifさん» なるww 大丈夫、アンケートの結果次第だ(笑) (2015年3月27日 0時) (レス) id: f1289bce29 (このIDを非表示/違反報告)
七宝蝶nif(プロフ) - 次の話があること、終わってしまうかもってことにww (2015年3月27日 0時) (レス) id: 0f03a94449 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：方瀬梨乃 | 作成日時：2015年3月8日 23時
