トリップ少女は奇術師の最愛の彼女のようです。●◇伍◇●

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何の悪気もないような返事を返す彼。

実際、悪いとなんて思ってないのかもしれない。

「派手なご登場ご苦労様」

「うん。迎えに来た」

迎え？

行きたくはないと言おうとした、その時。

「Aお姉さまっ」

！！

イルミと同じ、漆黒の髪。

肩口でまっすぐに切り揃えられたそれは、美しく。

キルアに似たネコ目に長い睫毛。

美しい着物に身を包んだ幼い少女―――・・・

「カルトちゃん！？」

「お久しぶりです」

この前逢った時に比べて、随分と友好的な態度。

嬉々とした表情が、僕の断る行為に罪悪感を持たせた。

イルミの罠というか、作戦だとは分かってるんだけども・・・

「Aお姉さま、お嫁に来て下さるのでしょう！？」

本当に嬉しそうな顔をするカルトちゃん。

すると、横から声が降ってくる。

「カルト、まだ決まった訳じゃないから」

「そうなのですか？」

キョトン、とした後少し残念そうな顔をする。

う・・・

「・・・ヒソカ」

少しねだるような表情でヒソカを見る。

すると、ため息を吐いた彼はゆっくりと言葉を紡いだ。

「戦闘日は１週間後だ◆それまでに、帰っておいでよ？」

「勿論」

ヒソカの言葉に安心する。

こうして、僕は向かうことになる。

ゾルディック家へと・・・









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