【ミカグラ】造花の上で踊りましょう (ページ10)

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10.ファインダー越しの音ページ10

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能力で取り出したディスクは普通の再生装置で読み込むことが出来る。

私は傷のついていないディスクを1枚拾い上げ再生装置にセットする。

能力で抜け落ちた記憶はディスクを再生し見る事で頭の中に戻る。壊れたディスクも直せば見る事は可能になる。

『…！』

映像の中の私は、二宮先輩をファインダー越しに見ていた。

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パシャッ

『…はぁ～今日もシグレ先輩カッコいいなぁ』

「Aちゃん好きだよね、シグレ先輩のこと。」

『私が恋してるのはシグレ先輩自身じゃなくてシグレ先輩の"音"なのじゃよ、助手くんよ』

「助手じゃねぇっすよ、てか音ってなんだ…｣

私の隣では助手こと同じクラスの桜田君がパンを食べながら座っていた。

『作曲家には分かるんだよ、その人の"音"ってのがね！』

「へー、じゃあ俺はどんな音なんだ？」

『君からは素敵な音がするよ』

「絶対適当…」

風が吹き、シグレ先輩はファインダーの中から姿を消した。

『行っちゃった。私達もそろそろ戻らないとね』

「おう」

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すっと頭の中に記憶が入ってきた。

何故か二宮先輩が居て、しかもここじゃない制服を着ていた。

そして私には桜田という男の子の友達が居たようだ。

再生装置からディスクを取り出しメモを添えてケースに入れる。

『あ、もう寝なきゃ』