22.負けられない戦い ページ22
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「えぇ?!今日Aちゃん模擬戦出るの?!」
『はい…』
「何部と?!」
『それが直前までのお楽しみ!と先輩に言われてまして…』
「ドッキドキだね…応援しに行くから!」
『ありがとうございます!』
遂に模擬戦当日、私はいつもよりざわついた校舎を出た。
放課のチャイムをぼんやり聞きながら、指定された会場に重く歩いていく。
『あぁ…何で私が…』
「…え」
そこに居たのは、紛れも無く二宮先輩だった。
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ハロー皆様。私シグナルという名前で作曲をしたりカツラかぶって優等生の振りして学園に存在してる元記憶喪失の椎原Aです
最近入った映画研究部でまさかの先輩のドタキャンの生贄にされた私、会場に行くと今1番会いたくなかった人ランキングブッチギリ1位の二宮先輩が居た。
二宮先輩も固まっている。うん、そりゃ固まるよな相手は映画研究部の代表の3年が来ると思ってたから。
「…椎原さん?」
『3年生が補修で参加出来なくなったので代わりに来ました、よろしくお願いします。』
取り敢えずペコりと頭を下げると、「なんだ!そうなんだね」と納得してくれた。
「椎原さんと戦えるなんて光栄だよ、楽しもうね」
『…はい』
クソ、何かめっちゃいい笑顔だよこのイケメン。
「…」
『…???』
なんか凄い真顔で見られてるんですけど?!
「椎原さん」
『な、何でしょうか?』
「勝負をしようよ」
『?…今からしますよね?』
「それもあるけど、うーん、賭け、みたいな」
『…賭け?』
「僕が勝ったら何でも言う事聞いてよ」
『え、ええ?!』
「君が勝ったら僕は何でも言う事を聞こう」
『…わかりました、負けられません』
「僕もだよ!」
電子音が無機質にカウントする
私や二宮先輩の頭上に3つのクリスタルが現れる。
私のクリスタルは姉妹校時代と変わらないディスク型。懐かしいな、ディスクを作りまくってフェイクとかしてたっけ
「…(やっぱりAちゃんのクリスタル)」
『…(気付かれてるのは分かってる。これ以上詮索されるのも困る…!)』
【スタート】
「勝たせてもらうよ!!!!」
二宮先輩は《ヒーロータイム》を使って一気に私のクリスタル目掛けて飛び込んでくる。
私だって、負けられない
『《タイムカット》』
カチンコがいい音を立てた。
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作者名:藤宮 | 作成日時:2018年3月3日 17時