2.窓の外 ページ3
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「そういえば、Aちゃんは部活何に入るの?」
『まだ決まってなくて…』
「じゃあ私と同じだね!一緒に部活見学に行こうよ!」
『はい!』
私とAちゃんは放課後に部活見学に行く事にした。
この学園では部活に入らないと過酷な事に…ゲホン
1度私も見学には行ってるけど、まだ決まっていない。
Aちゃんとは仲良くなれそうだし、一緒に同じ部活に入れたらいいな!
『…』
「どうしたの?」
『いえ!部活見学楽しみだなって!』
「そうだね!」
Aちゃん、中庭なんて見て何考えてたんだろ…
私が中庭を覗くと、そこには複数の女子に囲まれたシグレが居た。
「げ」
『エルナちゃん?』
「い、いや!何でもないよ!」
そりゃあんなに女子惹き付けてる男子居たら気になるよね!!!
「そろそろお昼休み終わるね、行こっか!」
『はい!』
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「そろそろお昼休み終わるね、行こっか!」
『はい!』
ピンク色の髪を団子にして結んでいる少女は、私にそう言って席を立った。
もう一度私は窓の外を見る。
複数の女の子に囲まれ、困ったような表情をした白髪の少年。
ふと、視線に気付いたのか私と目が合った。
特に用も無いので目線を外し、計画的に友達となった"エルナちゃん"に着いていく。
『(エルナちゃん、君はどう驚かせてくれるのかな)』
【数日前】
私は新入生リストを片手に趣味の作曲をしていた。
コンコン
『誰だろ』
備え付けのインターホンを見ると、この1年で見慣れたピンク髪が映った。
『どうぞー』
「お邪魔します…って!いつまで引きこもるつもりだ?!」
私の部屋に入ったピンク髪…もといいつもは猫か犬か分からない微妙なマスコットになっている先生の人型(本名は知らない)はそう怒鳴った。
『学校行くよ』
「いつまでも引きこもってないで…って、え?!」
『1年留年したけど、今からでも行けるでしょ?』
「いや勿論行けるしそうしてほしいけど…何でだ?」
『理由が無きゃ行っちゃダメなの?』
「そう言うんじゃない、急にどうしたんだよ」
『別にー、インスピレーションが導くまま〜って感じかな』
「分からん…」
入手した新入生リストの紙の中で、一際目立つ少女を見て私は笑う。
『インスピレーション様の仰せのままに〜』
きっと、この子と一緒なら退屈な学園生活も飽きないものになるから。
『(もう一度私を生かしてね)』
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作者名:藤宮 | 作成日時:2018年3月3日 17時