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18.全てをやめよう ページ18
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「…椎原。」
『…』
人間の姿になって椎原の部屋に行くと、彼女はあのディスクの散乱した部屋でうずくまっていた。
呼び掛けても応答はなし。
「全部、思い出したのか」
『…』
こくり、と小さく頭が動いた。
「…見なかった方が、幸せだったか？」
『…』
『うん、そうだったろうね』
「…」
『滑稽じゃないか、他人の幸せを望むばかりに起きた悲劇。
自暴自棄になって起こった能力の暴走に巻き込まれて自分を責めて否定して。
馬鹿みたい』
「…」
『二宮先輩や九頭竜先輩のあの目は、哀れみの目だったんだね』
「そんなんじゃ…」
『いや、もう私には関係ない事だよ。
あの人は自分を切り捨てた。
新しい自分になれと言った
あれは過去の私じゃない。
あれは別の私。』
「…それでいいのか」
『そうじゃなきゃ生きていけないでしょ。』
彼女は立ち上がり、微笑んだ
『もう猫をかぶるのはやめだ』
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作者名：藤宮 | 作成日時：2018年3月3日 17時
