【ミカグラ】造花の上で踊りましょう (ページ17)

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17.真実ページ17

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ルーキー戦初日がやってきた

「…Aちゃん来ないなぁ」

いつものように噴水前で待っていても、彼女は姿を現さなかった。

端末で電話をかけても出ない。

「んー…先に行こうかな」

先に行くよ！とメールを送り、私は食堂に行くことにした。

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「…げ」

「おはよ、エルナちゃん」

「なんか最近シグレと会うこと多くない？」

「運命だね！」

「そういうの今いらないんだけど」

トーストとバター、フルーツの載ったトレイを起き、仕方なくシグレと相席する。

少し遅い時間になって、空いている席がここしかないからだ。

「そう言えば、椎原さんは？」

「今日はまだ来てないと思うよ。さっき電話してもメールしても音沙汰無し」

「そっか…」

「Aちゃんの事気に入ってるの？最近よく話してるし」

「うーん…エルナちゃんは僕がここの姉妹校に居たことは知ってるだろう？」

「あー、何かシグレここじゃなかったよね。最初言ってたとこと」

「そう。僕は合わなくてこっちに転校してきた訳だけど…姉妹校時代に椎原さんと同じ名前の子と知り合いでね」

「…え？」

「見た目はちょっと違うけど、声も面影もあるからそうなのかなって」

「どういう事？」

「あの時僕は高等部の１年。彼女は中等部の3年生だったんだ。」

「…」

「僕が転校した後に、どうやら事件があったらしくてね。」

「事件？」

「椎原さんと同名の子が被害に遭った事件で、姉妹校にはもう居ないらしいんだ」

「…もしかして、その子がAちゃん？」

「可能性の話だよ。…でも、似すぎているから気になってね」

シグレによく会うのは、私とAちゃんがよく一緒にいて、シグレはAちゃんの事を知りたかったからなのか…

ていうかシグレが高一の時中三って事は…

「歳上？！」

「本当はね。でも事件の事で不登校になってたって聞いたから1年ほどブランクがあったとして有り得る話だろう？」

「そうだね…Aちゃん…」

優しい子で、明るくて可愛いAちゃんにそんな事が…

今日の朝食は、少し寂しい気持ちになった。

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「…椎原。」

『…』

遮光カーテンで外界と隔離されたあの部屋で、少女はうずくまっていた。

あぁ、全てわたしのせい。