13.壊れる音 ページ13
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「シグレじゃん、おはよう」
『二宮先輩おはようございます』
「相席いいかな?」
「仕方ない、今日は許したげる」
「やったァ!」
それでいいのか、漫画研究部の代表様…
そう言えば
『(二宮先輩が姉妹校に居たから、部活体験の時に私と会ったことあるかって聞いてきた訳だよね…)』
もし、仲が良かったとかだったら悪かったなと思った。
「フレンチトースト美味しそうだなぁ」
「シグレも頼んできたら?」
「え?エルナちゃんがあーんしてくれるって?」
「やっぱり半径1m以内に入ってこないで」
「酷いよエルナちゃん!冗談だよ!」
ていうか僕もう朝食は済ませてるよ!と二宮先輩は抗議するも、エルナちゃんはガン無視モード。
これは二宮先輩が悪い。
「Aちゃん早く食べて行こ」
『あ、あはは…』
「お兄ちゃん寂しいよ!」
「…」
「ホントに無視はやめて?!」
もうここまで来ると夫婦漫才だな…と最後の1切れを頬張る。
『ご馳走様でした』
「あ!Aちゃん待ってよー!」
『ゆっくりでいいですよ、私はトレイを返してきます』
「わかった!」
トレイを持ち、席をあとにする。
大分食堂も混んできたかなぁ…
ドンッ
『あ、すみませんでした!』
「…いや、こっちも悪かった」
ぼーっとしていて前を見ていなかったせいで、人にぶつかってしまった。
目線を上に逸らすと…
『(うわぁぁえのやん先輩ぃぃぃ)』
天文部のアスヒくんが新入生歓迎会でぶつかって凄い事になった人だ(部活見学に行った時も機嫌が悪そうで怖かった)!!
『すみません次は気をつけますのですみません』
「おい大丈夫か」
『どうか命だけは』
「…俺の評価どうなってんだ」
えのやん先輩は呆れたようにため息をついた。
アッこれ体育館裏に呼び出されてボコられるやつかな
「ま、次は気をつけろよ」
『ハイッ!!!』
ペコりと頭を下げ、足早に去ろうとすると、
「新曲良かったぞ」
『え』
私が振り返った時には、彼はもう居なかった。
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「ごちそうさま!お待たせ!」
『じゃあ行きましょうか』
「うん!…Aちゃんどうしたの?」
『…いえ、何でもないです』
私は内心焦っていた。
どうしあの人が、私がシグナルで、曲を作っていると知っているのだろう。
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作者名:藤宮 | 作成日時:2018年3月3日 17時