ジョゼフ ページ48
扉を開くと、既に沢山の人数が集まっていた。それも全員、今回の件でイライに協力した者。
ジョゼフはこれからどんな密会が始まるのか悟った。
「全員集まったみたいだな」
フィオナがそう呟く。
「で、僕達を集めたって事は、何か収穫があったんだよね？」
フィオナに続くように言ったマイクに、イライは頷いた。
「話してくれるかい？」
「勿論」
◆
どうやらイライは彼女の過去を覗いたらしい。
分かったのは、彼女はイソップでは無い納棺師に世話になっていた事。
「じゃあ、Aはその世話になった納棺師とイソップ君を重ねて見ているって事？」
「それだったら彼に対して尊敬していた事も納得だな」
イライの説明にこの場の全員が納得して表情を明るくした。だが、それはイライとエミリーは暗い表情を保ったままだった。
「どうしたんだい？イライ。これは君にとって結構大きなものじゃないか。Aは彼に対して妄想を見ているんだぞ。醒めない夢はない。時間が経てばきっと……」
硬直した表情を変えないイライに、ジョゼフが声をかけると、イライは低い声で言った。
「引っかかるんだ。イソップ君が昔恩師の話をした事があって。その恩師の名前が同じ、ジェイだった様な」
「でも、僕らサバイバーって何かしら悪事してるじゃん。それはイソップ君も例外じゃないでしょ？悪事してる人の師匠がそんな良い人な事ある？だからそれは多分イライの聞き間違い…」「じゃないわ」
ずっと沈黙を保っていたエミリーが突然口を開き、この場の全員の視線を集めた。
彼女は唇を震わせながら話し出す。
「その納棺師の名前は、ジェイというのよね……？昔、そんな名前を聞いた事があるの。凄い納棺の腕前をもつ人物がいるけれど、裏の顔では生きてる又は瀕死の人間を納棺してるって。その人の名前が……」
「ジェイ……というのかい……？」
震えた声で尋ねたイライに、エミリーは深く頷いた。
一瞬、空気が静まり返る。
「なら、色々と筋が通るね！てか、そんな危ない奴にAが渡るのはやだな〜。協力するからね、イライ！」
だが、空気を読めないマイクによって静寂は10秒も持たなかった。
「私も引き続き協力しよう。どうするべきか一緒に考えようじゃないか」
「あーあ。何かの事故で間違ってAがイソップ君の日記読んでくれれば早いのに」
無神経なマイクの発言に、この場の全員が苦笑する。それは表情を変えなかったイライも例外ではなかった。
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にゃろ(プロフ) - 錆さん» コメントありがとうございます！とても光栄です。更新頑張ります！ (2020年5月24日 20時) (
レス) id: 67ae364a5f (このIDを非表示/違反報告)
錆(プロフ) - コメント失礼します。いつもワクワクドキドキしながら読ませていただいてます。無理せず更新頑張ってください！ (2020年5月24日 17時) (レス) id: a752c0635d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃろ | 作成日時：2020年4月18日 1時
