問答 ページ18
イライさんの治療も終わり、解読も順調に進んで残り3台。
ここで社交恐怖持ちのイソップさんと別れて、私とイライさんで残りの暗号機を解読する事になった。
イライさんの隣で、今度は暗号機の横の部分を回し、手で叩いて子気味いい音を鳴らす。
黙々と解読に集中していると、
「ねえ、A」
イライさんが話し掛けてきた。
「何ですか？」
「君は、イソップ君を何故尊敬しているの？」
最近納棺師さんに関する質問をよくされる気がするな……。別に答えたくないような質問ではないけれど。
「えっとですね……。昔、納棺師さんに救われた事がありまして。感謝してもし切れないんです」
泡沫のような記憶を思い出しながら言うと、
「どんな事で？」
また質問の形で言葉が返ってきた。
これでは質問攻めでは無いですか！
「ストップです！それだとイライさんだけがいっぱい私の事知って不公平です！私が教えた分だけイライさんも私に教えてください！」
勢いのままに言うと、イライさんは何故か少し頬を赤らめて頷いた。
何はともあれ交渉成立。
「では次は私から質問です！えっと……」
質問攻めが嫌で勢いで言ってしまったから、特に自分がイライさんに対して知りたいと思う事が無い事に気づく。
イライさんを上から下まで眺めて何か質問できる事は無いかと探すと、肩に鎮座している梟に目が止まった。
「その梟のお名前は何というのですか？」
すると、イライさんは答えるどころか静かに笑い始めた。
「？」
「……いや、結構踏み込んでくるのかなって身構えてたけど、そんな事かって思って……」
イライさんは余程ツボにハマったのか、暫く笑った後に、
「この子はポッポちゃんって呼んでるよ」
と、教えてくれた。
「へえ、ポッポちゃん。可愛いです」
「撫でてもいいよ」
「本当ですか！？」
ポッポちゃんに向けて恐る恐る手を伸ばす。
しかしそのタイミングで、
『ハンターが近くにいる！』
と、フィオナさんからのチャットを受け取った。
「ああ、援護しなくちゃ」
解読を止めて地面に穴を堀り、さっきと同じ種を撒く。
土を被せ、ジョウロで水をあげた時、イライさんが呟いた。
「ポッポちゃんで見てるけど、フィオナの心音が収まってくよ」
「えっ？チェイスは終わったのですか？」
芽が出たのを確認して、イライさんの方へ顔を上げた。
瞬間、私達の間に黒くて赤い光が瞬く。
これって確か…瞬間移動！？
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にゃろ(プロフ) - 錆さん» コメントありがとうございます！とても光栄です。更新頑張ります！ (2020年5月24日 20時) (
レス) id: 67ae364a5f (このIDを非表示/違反報告)
錆(プロフ) - コメント失礼します。いつもワクワクドキドキしながら読ませていただいてます。無理せず更新頑張ってください！ (2020年5月24日 17時) (レス) id: a752c0635d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃろ | 作成日時：2020年4月18日 1時
