黒服の秘密のお仕事

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何があったかは答えず
沈黙した

「その顔…」
「不満なら主任を代わりに呼びますよ」

「紫耀のとこだってわかってんだろ？もしかして行きたくないのか？」

「……」

「昨日はあれから会ってないよな？今日も会う暇無かったよな？連絡先も知らないなら何が起こるんだよ…報道ぐらいしか起きて……？…もしかしてお前、紫耀から何も説明されてないのか？」

説明…
何も言うなって言われた事ですかね

浜田はゆっくり私を探るように見て

「熱愛報道………」

身体も表情も
動いたつもりは無かったけど

「ははっ…奥歯噛み締めるほど嫌か。…まぁいんじゃね…紫耀も安定してたし一回会って拗れてこいよ」






拗れることはない

無いんだけれども



「なら仕事終わってから来てよ」

いつもなら聞き逃せるのに
カチンときた

「失礼ながら、大抵の女性は恋人が異性と私服で部屋に二人きり、というのは従業員であろうと嫌な気持ちになるものでございますよ」

一瞬眉をひそめて

「え？何？待って、待って…嫌なの？」


一歩後ろへ下がり

「熱愛報道とは知らず、昨夜も個室に入ってしまい、申し訳ありませんでした」

頭をさげる


彼女が嫌な気持ちになれば
紫耀くんに言い訳をさせてしまう
守るなんて、どの口が言うのか

「え？報道知らなかったの？待って、でっちあげでも個室に入っちゃダメなの？」

でっちあげ
あ…そうか
何も言うなって言われたんだっけ

「それは失礼致しました」

紫耀くんは眉間に皺をよせながら

「報道がガセだって…聞いてないの？てかその顔…信じてないよね？」

「いいえ、お客様が仰っていましたから…」









「ぁ〜あ！ホラ！やっぱ俺には損しかない報道じゃん！」

紫耀くんがドカッと椅子に座った

頬杖をついてこちらを見てるだけなのに

紫耀くんの目が
私が悪いと言っているような
圧をかけてくるようだ



「結局、ゆうさんも俺に彼女が居ないって信じてくれないんだね。ファンの子もそんな信じてくれないし、俺の言葉ってそんなに軽いの？」

信じるとか信じないとか
軽いとか軽くないとか

そんな単純な事ならもっと楽だ



「信じないんじゃなくて…いつでも覚悟をしておかないといけないからじゃないですか？」

「覚悟…？」





「彼女が居なくても…明日あなたが恋に落ちてるかもしれない」

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