黒服の秘密のお仕事

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「嘘じゃないって
約束できる？」



「嘘じゃない…あ、ホテルの中でも私たちの目の届くところで居てくれたら守れます」

だから肩の力を一度抜いて


「私が休みの日でも、何かあったら浜田と対策を考えますよ」


このままの紫耀くんが良いとは思えない


「ゆっくりと休める場所にしていきます」


紫耀くんが顔を苦しそうに歪めて


「も〜…しんどい…」




「…はい」




「…誰も彼も三年後は俺の事悪く言ってるかもしれし…」

「うん…」




「後輩が売れたら…俺ら要らんくなる」

「…私はあなたたちが好きですよ」





「女の子は…男前が迫ったらキャーキャーなるじゃん」

笑ってしまった

「あははっ！そうね、好みじゃ無くても、男前に迫られたらドキドキするかもね…」



あなたもそうやってドキドキさせて
ファンを増やしていく




「そしたら俺ら…要らんくなる」
「ならないよ」

もう一度グッと力を込めて


「要らなくなんかならないよ…綺麗事だと思うけど、芸能界で需要が無くなるかはわからない。それだけ優れた人がいて厳しい世界ですもんね」



誰だって仕事で味わったことがある
後輩ができる度に、育てる度に

足元が不安に感じる瞬間があるから



「紫耀くんは…まだまだやってる途中だから怖いね。周りのペースじゃなくて一つ一つ、出来るようになるまで待って欲しいのにね」






「うん…考える時間がもらえない…怖い…」

「うん…」



「…どんどん…怖くなった」

「……うん」



手だけじゃない

ちゃんと抱きしめたい


私には何も出来ないから

許されるなら

慰めてと言って
抱きしめてと言って



紫耀くんが言ってくれないと
何もできない


このホテルの中でなら守ってあげる
としか



言うことができないのが

もどかしい

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