黒服の秘密のお仕事

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あ、そっか
平野様…紫耀くんは

人が何かしてたら
放っておけないんだっけ

でも一応

「紫耀くんは、今日は主役だからゆっくり、ドーンとしてていいですよ？」

振り向いたら意外と近くに居たので

少しビックリした

「これ…俺のためにしてくれた？」
「…え？」


私の手に持っていた
星の飾りを指さして

紫耀くんの視線が
手元の飾りからゆっくり


私の視線と交差する


なんて
キレイな顔…

お肌もキレイ
瞳も
ながいまつ毛も




なのに眉間に皺がよってる
アンバランスさが

より苦しそうで
より色っぽくて



吸い寄せられそう




…眉間に皺
そうだった！
私、今スッピン…
消えたい


持ってた星の飾りを離して
片手で紫耀くんの目線を隠して
もう片方を私の顔を隠すように広げる


「ごめんなさい…ちょっと…最低限見れる顔にまで…化粧…してきていいですか…？」


五人が安心できたなら
もぅ恥をさらす必要ない…よね


紫耀くんが私の手首を掴んで

両手を広げるように
おろしていく

恥ずかしいから手で隠そうと力が入って



それでも掴まれた手では
ビクともしなくて


視線から逃れるように
紫耀くんの肩を眺める

掴まれた手の熱は
紫耀くんを意識する度に
実感していく


…そんなに見ないで
だんだん惨めになる


隠そうと
何度も手に力を入れる


「あんま…見ないで下さい」
「見せて」


手で隠せないなら

下を向いて顔を隠す


「見せてよ」

下を向いたまま首を振る


「俺に見せて」

無理だよ
何か恥ずかしすぎる



「俺の味方で居るって…見せてよ」


…ぁあ
まだ不安だったのか
そりゃそうか
私のスッピン如きでは何ともならない

自分の恥ずかしさを優先するなら
なんの為に見せたんだ

深呼吸して
震える吐息に喝を入れる


ここで隠したら台無しになる

今、紫耀くんを安心させるほうが
大事じゃないか


覚悟を決めて
顔を上げる

目線があって

まだ眉間に皺が…ある


「めちゃくちゃ恥ずかしい思いをしてるのは…分かってくださいよ…」


「ん……」

眉間に皺が消えない


「じゃぁ…覚えておいて下さい」




掴まれていた手をそのままクルンと返して
私が紫耀くんの手首を掴む


「このホテルに居る時は浜田も大坂さんも…私も紫耀くんたちを」


グッと力を込める




「全力で守りますよ」



「嘘…じゃないって約束できる…？」

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