黒服の秘密のお仕事

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「いや…俺ちょっと
浮かれてたなって気づいて
昨日の…どう思ったかな…って…」

どう言えばいいんだろ…
多分好きだって言っちゃいけないっぽいよね


「私もかなり浮かれてました…嬉しかったですし…」

俯いてた紫耀くんが顔を上げて
ちょっと困ったように笑った

「そっか…良かったぁ…俺に拘束する権利なんか無いんやけど…やっぱ怖くなって…次会った時にゆうさんの傍に他の…居たらどうしようってばっか考えてて」


そぅ言われたら
永遠にこのままでも平気、とは言えないし

私も耐えれなくなる日が来ない
なんて言えない


でも今は無かった事にするのは嫌だ
昨日ならまだ引き返せたけど


今はもぅ
世間に彼女は居ない、と
嘘つかないで頑張る紫耀くんが

好きだから


「もし…紫耀くんだけじゃ耐えれなくなったら…彼氏が欲しくなったら、ちゃんと彼氏作ります、って紫耀くんに言ってからにしますよ。そこは約束します」

グッと口を結んで息をのんだ紫耀くんが

「あんま…聞きたくないけど…勝手に無かった事にしないって…俺もその約束は守るよ。俺のワガママで…ちゃんと彼女にしてあげれなくてご…」
「彼女居ないって自信もって言える紫耀くんがいいんですよ」

謝らせることは違うと思った

「誇りを持って頑張ってる紫耀くんだから、皆も安心出来てるんですよ。私も…頑張れます」

紫耀くんが一歩踏み出したので
近くなり…見上げる
嬉しいのと不安と入り交じって
…口元が緩んでる

きっと
紫耀くんと同じ顔を私もしている

手が重なって


「ありがとう……ちゃんと思ってることは教えてくれると嬉しい…なるべく…永く傍にいて欲しいから」

「はい…」

友達以上…
それだけの関係で終わるかもしれないけど

すごく嬉しくなった






「あ〜…良かったぁ…じゃぁさ、昨日言ってた協力して欲しいことなんだけど、ちょっとコレ見て」

と言って
鞄の中から冊子を取り出して見せてくれた

「…ホワイトデーでカッコよくお返しを渡してください？」

「それ、バラエティ番組の企画でやるんだけど、俺だんだんカッコよくってのがわかんなくなってきて恥ずかしくてさ、ゆうさん練習相手してよ」

「…内容書いて無いね…こんなの出来ないよ？」

「立ってるだけでいいから！ここで何回かすればカメラの前で照れなくなると思う！お願い！」

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