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あと1週間で夏休みに入る暑い日

…紫耀さんがおかしい

朝から講義が終わる度に次何するんか聞くメッセージが入る
返事を返してもまた講義終わりで聞かれる

今までは帰り際や前日に終わり時間聞かれたりするくらいやったのに

…暇か?
何となく紫耀さんは暇やったらしょーもないこと送ってきそう
いちいちどこに居るか聞くなんて

…寂しん坊?

昼の講義が終わって


もぅ帰るだけですよ


って送ったら


1号の自習室に迎えに来て


ってきた

…え?
迎えに来て?
珍しい言い方やんな?



1号の自習室開けてわかった

「…紫耀さん…具合悪いんなら朝のうちにそう言うて」

ぼんやりした顔して眉間にシワが寄ってる

「…熱は?測った?」

「……ななどごやった」

元々ハスキーな声がカスカスになってる

「それは朝?」

紫耀さんが頷く

今もうちょい上がってるんかな…

「紫耀さんバイトは?」

「…やすんだ…」

「自分の経験上、病院行っとくほどじゃないと思う?」

また頷く

ならまぁ寝て様子みようか…


大学から出てタクシー捕まえて紫耀さんの家に向かう

タクシー乗ってる時も部屋に入るまでも
紫耀さんは手を離してくれなかった


…心細かっただけか
紫耀さんでも熱出すんやな…
そりゃそうか、人間やしな

紫耀さんがパジャマに着替えてる間に薬とマスクの場所を聞いて用意する

ペタペタとダルそうに歩く音が聞こえる

「…着替えた?吐き気はある?」

首を横にふる

大学で買ったポカリをキャップ外して渡す

「…とりあえず飲んで寝て?私、買い物してくるから。アレルギーとかある?」

首を横にふってポカリを飲む

「ごめんやけど、冷蔵庫とキッチン使って大丈夫かな?」

頷く

「んじゃコレ…マスクつけて…おやすみ」

紫耀さんにマスクを装着して
軽く背中を押すけど進まない

「…どうしたの?」

紫耀さんに手を引かれて歩く
そのまま寝室に入る

…寝室に入っていいの?
初めて入るわ…

紫耀さんは大学に持って行ってた鞄から鍵と財布を出して私に差し出す

「……鍵だけ借りるね。お金は元気になったらご飯奢ってくれたらいいから」

鍵だけ受け取って財布は鞄に戻す


「…ほら…寝よ?」


ベッドに座って手を離してくれない

そうか、心細かったんやっけ




「よ、…よしよ〜し…もぅ大丈夫なぁ〜もぅ寝るだけで良くなるから大丈夫なぁ〜」

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作者名:しろ | 作成日時:2021年11月30日 23時

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