39 side紫耀 ページ39
金曜日、大学からの帰り道
ゆうとコンビニ寄って
お菓子と飲み物買って俺の家に向かう
…なんか機嫌悪いんかな…
あんま話せんけど緊張してるあの顔ちゃうし
しんどいんか聞いても
「大丈夫」
としか答えへん
…まさか
俺がどさくさに紛れていろいろしてるん気づいて、怒ってるんやろか…
触りたくて自制ができひんて
俺は中坊か
これ以上
嫌な思いさす位なら
やっぱ止めて手放した方が
ゆうも変なトラウマにならんし…
…手放す?
いやもう俺んトコでええやん
めいっぱい気持ちよくするし
なにがあかんねん
ちゃうやん
他の奴なら ゆうに優しく出来るやろ
もー!
何回考えんねん!
部屋に入ってソファに座っても
ゆうの不機嫌さは変わらんように思えた
「…ゆう…無理せんでええんやで?」
「無理ちゃうわ!はよ!後ろ向いて!」
「え?」
腕は?練習ちゃうの?
「肩につけるんやろ!もう出来るから早く」
…もう出来る?
え?出来るようになったんか?
なんで?
なんで出来るの?
後ろ向かされる
背中にゆうの手が触れて
期待と不安で鼓動が早くなる
肩の下
Tシャツでは見えへん位置に
ゆうの唇が当たる
手も唇も震えてるのがわかるのに
止めてええでとは思ってない
…まだ怖いんか?
見えへんとこで震えてても
抱きしめてやれんやんか
強く
強く吸いつかれた
…なんや…
ほんまに出来るようになってるやん…
なんでなん?
出来ひんまま
ずっと家帰さんと
俺の腕の中で居れば良かったのに
心がドロっとした感情に染まっていく
「っつ……ぅぅぅっ…」
ゆうの震えと泣く気配が強くなる
泣くほど嫌なんか?
だから練習してきたんか?
ぁぁ
でも逆効果やで
ゆうの泣き顔は俺の理性を飛ばすから
知らんかった?
言ってないもんな
でももう遅いで
この状況で泣く位なら
今日はずっと
他の事は考えれんように
鳴かせ続けるからな
とりあえず
身体を返して正面から抱きしめる
「…そんなに嫌?…」
とりあえずここは否定しとけよ
ゆうの震えが強くなる
「…めちゃ……や…なんでなん?…いややっ…ごめっ……ぅぅぅっ……めちゃ…いややぁ…」
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作者名:しろ | 作成日時:2021年11月30日 23時