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『…ゆうは…俺が彼女と上手くいってほしいん?』
彼女と…紫耀さんが
「…ぅん…紫耀さんが…幸せになるのが…いい」
私はやっぱり無理や
気の利いたメッセージも送れない
未だに電話にさえ怖気付いてる
おかえり って送るのも躊躇う
いま、この瞬間も
精一杯や…
「…だから…今日は疲れてても、嫌な事ばっかりは続かへんよ……大丈夫……紫耀さんは大丈夫」
『……なんでそんなんわかるん?』
そんなん当たり前やん
「…紫耀さんはめっっちゃ素敵な人やもん…彼女も…きっかけがあれば…紫耀さんに惚れてるよ…」
『………そうか…』
「…ぅん…」
『…ゆうは…アホなんか…すごいんか…よ〜わからんな…』
「…褒めてないやろ…」
『…アホか……褒め言葉や…』
精一杯、言えた
電話やったから頑張れた
紫耀さんの姿を
出会った日しか見てないから
どこにいる人か知らんから
まだ紫耀さんの気配は
どこか夢のようなものやから
この距離でいい
姿が見えなければ
これ以上欲張る気持ちは
…出てこないはず
『も〜…ほんまにゆうは…アホやなぁ…』
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作者名:しろ | 作成日時:2021年11月30日 23時