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『…ゆうは…俺が彼女と上手くいってほしいん?』



彼女と…紫耀さんが


「…ぅん…紫耀さんが…幸せになるのが…いい」


私はやっぱり無理や
気の利いたメッセージも送れない
未だに電話にさえ怖気付いてる
おかえり って送るのも躊躇う

いま、この瞬間も

精一杯や…


「…だから…今日は疲れてても、嫌な事ばっかりは続かへんよ……大丈夫……紫耀さんは大丈夫」

『……なんでそんなんわかるん?』

そんなん当たり前やん

「…紫耀さんはめっっちゃ素敵な人やもん…彼女も…きっかけがあれば…紫耀さんに惚れてるよ…」



『………そうか…』
「…ぅん…」
『…ゆうは…アホなんか…すごいんか…よ〜わからんな…』
「…褒めてないやろ…」
『…アホか……褒め言葉や…』


精一杯、言えた
電話やったから頑張れた

紫耀さんの姿を
出会った日しか見てないから
どこにいる人か知らんから


まだ紫耀さんの気配は
どこか夢のようなものやから

この距離でいい

姿が見えなければ
これ以上欲張る気持ちは


…出てこないはず

『も〜…ほんまにゆうは…アホやなぁ…』

18 side紫耀→←16 side紫耀



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作者名:しろ | 作成日時:2021年11月30日 23時

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