片想い

14 side紫耀 ページ14

「は？」

もう一度さっき受信したメッセージを見る

文化祭でしたー！
最後まで燃え尽きましたー！


「今日やったんか！」

なんやねん

どうせ高校最後の文化祭やからって
また全力でアホな青春ぽいことしてるんやろうと思ったから

見に行こうと思ってたのに



「…なんやねん」




ゆうはわけわからん

てっきりバイト先まで会いに来たり
遊びに誘ってきたり

…電話してきたり
メッセージがバンバン入って来ると思ってたのに


連絡くるのは
毎朝の おはよう と
最近になってやっと来る
短いメッセージだけ


あんなけ押しかけて来たのに

そんなんがしたくて
あんなにスライダー登ってきたんか？

押して引いての手口か？


駆け引きにしては違和感が残る

連絡先交換した時に見た ゆうは

こういう不器用さが見えてたから


これが ゆうのペースなんか？

俺は ゆうのやり方を参考にしようと思ってた所があるから
余計に気になった


俺も頑張っていいんや、と知った日から
だいぶ楽になった

以前は
先輩と彼女が付き合う前に出会ってたら良かったのにって思ってたけど

今は
順番は関係なくて、ただのタイミングやねんから俺もそのタイミング逃さんように近づく努力をすればいいと思えた

そのタイミングを逃さない為に
彼女のそばでなるべく居った

不思議なもんで
焦れることは無くなった


…なるほど
押し殺すより努力した方が楽になるな
さすが ゆう
さすが経験者


それでも彼氏と居るのは見てて気分のいいものではないから、時々疲れる


だからいつもは朝の ゆうからの連絡に返事を返すだけやけど、疲れた時は夜22時位に

ただいま

とだけ送る

そんなに間空けずに

おかえり

って返事がきたら
ゆうに電話するようになった

ゆうは受験生やから夜出歩かないし
まだ寝てる時間でもないやろうから
たいがい間置かずに返事がくる


電話に出ないことは無いから


俺が電話かけると

「もしもし？どうしましたか？紫耀さん」

って絶対言うから

「…疲れた」


と一言だけ話す

大丈夫、後は ゆうが聞いてくれる

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