7 五年三組 3月 ページ7
お兄ちゃんが陸上部に入った
それは知ってたけど
中学の陸上部でお兄ちゃんが町内のロードレースに出るからって私も出なくて良くない?
「お父さんだけ走ればいいじゃない!3キロもなんて走ったことないし無理だよ!」
「記念で出るんだから歩いてもいいんだよ。お兄ちゃんは陸上部で前の方で走るっていうし、お父さん達はゆっくり歩こう」
なら、何故申し込んだ!
春休みに入った最初の日曜日に
ロードレースは行われた
参加人数は1500人
走り終わったらお高いアイス買ってもらう約束で出場した
途中までは良かった
お父さんに先に行ってもらった
この隙に歩こうかと思い始めた時
「Aさん?」
この声は!
「あれ?…平野くんも…走ってたの…」
話すのは1月の席替えで離れたぶりだった
「うん。1組の平野航希って知ってる?従兄弟なんだけど、航希のお父さんが先生してるんだけど、その関係で毎年航希と出てるよ」
「あー…1組の平野くん?…従兄弟…なんだ…ごめ、…先に行ってても…いいよ…」
「…ちょっと歩いていこうよ。走れるようになったら教えてね」
「あー…ごめんね…」
「大丈夫だから。Aさんは?何で走ったの?」
「あー、お兄ちゃんが陸上部でさ、中学って絶対参加なんだって。それでお父さんがやりたくなったのか、一緒に申し込まれた。1組の平野くんは?」
「…なんか、はぐれた……ねぇ、ややこしいから紫耀と航希て呼んでよ。中学も一緒でしょ?」
「…紫耀くん?航希くんには後で聞いてみる。同じクラスなった事ないし」
「うん。後で一緒に探そ!…俺もゆうちゃんて呼んでもいい?」
ゆうちゃん…
同じクラスの男子に下の名前で呼ばれるの初めてだな…
ちょっと恥ずかしいけど
「…うん。いいよ。紫耀くん」
「…よろしくね。ゆうちゃん」
一緒にゆっくり歩いて、走ってくれて無事にゴールできた
2人で航希くんを見つけて、名前で呼ばしてもらった
お父さんとの集合場所まで紫耀くんが着いてきてくれて
久しぶりの
「じゃぁ、またね。ばいばい、ゆうちゃん」
「うん。また6年でもよろしくね。紫耀くん、ばいばい」
家に帰ってから
大事にしまった年賀状を
ずっと眺めていた
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作者名:しろ | 作成日時:2021年11月25日 18時