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3月に
「会わない」
と告げてから
首筋のシルシが消えてから
彼氏と別れた
あまり考えたくなかった
いつも通り会わなければ普通に…
…普通に過ごせてるつもりだった
短大の時の友達のヒナに
「若いんだから、彼氏とまではいかなくても飲んだり遊んだりしてみたら気が晴れるんじゃない?」
と言われて時々参加していた
大勢で居ると楽しい
でも二人きりにされると
気持ちが、時に体が
しんどくなる
紫耀くんに会わない期間を更新していくにつれ、楽になっていく気がしていた
季節は秋になっていた
友達から飲みに誘われた時も
帰りは絶対一緒に帰ることを条件に参加した
幹事のヒナ、ヒナと友達で私とは初対面のリッちゃんとクーちゃんとミーちゃん
「今日は、このリッちゃんがずっと狙ってる人が来てるからね〜」
「そうなの?じゃぁアシストするから教えといてね!」
こういう大人数で、誰かが目的ある飲み会が楽でいい
絡まれても逃げやすいし
お店の前で男性陣が来るのを待つ
「…あ!来たかな!ハル〜!こっち!」
ヒナが声を向けた方を振り返る前に
腕が取られて引っ張られる
「こんなとこで何してんだよ」
もぅこの声…やだ…
「…紫耀くん…」
「ジン、悪い、俺ら抜けるから」
そのまま腕を取られて歩き出す
「ゆう!大丈夫なの?」
ヒナが心配して追いかけてくれる
「ヒナごめん!大丈夫だからまた連絡する。本当にごめんね!」
「友達?ごめん、ちょっと話するだけだからゆうちゃん連れてくね」
そのまま繁華街を進んでいく
「…紫耀くん!腕痛い!」
「あ!ごめん!大丈夫?」
腕が離される
頭がぐちゃぐちゃだ
あたしが何をしたっていうんだろ
なんで忘れる前に会っちゃうの?
「もうやだ!何で居るの?会わないって言ったのに!何で会っちゃうの!」
「そんなの俺が言いたいよ!何で俺から離れないの!」
「離れてるじゃん!なんなの?」
「知らないよ!俺が言いたいわ!何でこんなに会うんだよ!」
「もうやだ…会っても紫耀くん絶対彼女居るし…」
「ゆうちゃんだってずっと彼氏居ただろ!前に俺には相手に悪いから会わないって言ったくせに何でこんな飲み会は参加してんだよ!」
「あんな事あってまで知らん顔して彼氏と居れるわけないじゃん!…あの後別れたよ」
「俺だってあんな事して彼女と居れるほど図太くない。すぐ別れたよ」
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作者名:しろ | 作成日時:2021年11月25日 18時