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監督も言ってた通り
一度お開きになって
別の部屋で呑むそうで
挨拶を終えて、平野さんが見送りの時に
小声で
「…早く部屋に戻るから」
心配しないで、って言われた気がして
のんちゃんとも部屋の前で別れて
優しい声と、頭を抱えてしゃがんだ姿を
ちょっと思い出し笑いなんかしてしまって
なんか 安心して 眠りについた
「…ゃん、ゆうちゃん?……ゆう?」
あー……平野さんのこえだぁ…
いつもと違うシーツの肌触り
だけど聞こえる声は同じで
つい、探るように手を伸ばすと
きゅ、と握り返してくれて
「……ふふっ」
安心出来る手に思わず擦り寄る
「おきよー?てか怪しい人が入ってきても気付かんのか?襲われるよー?…ゆう?」
ぁあ
あったかい
「……コラコラ……もー、辻さんに怒られるよー?……よいっしょっ…ゆう!起きろ!」
身体を上半身だけ起こされて
ほっぺを、ぶにっと寄せられた
「んむー……」
「むー、じゃねぇわ。ホラ、起きて、用意して!朝ごはん食べるよ!」
「……いらん」
「アホか。撮影だってのに、何言ってんの」
ぁあ
なんか いつもの朝だ
そして
「……もぅちょい…優しく…」
「最初に起きてれば優しかったわ。ほら!シャワーしてきて!俺、部屋に戻るから!」
え?
あれ?
「……戻る?」
「我慢してる、って言ったじゃん。ほら、自分で立って」
お風呂場まで抱っこで連れて行ってくれて
そのまま下ろされる
「……起きた?」
「……ぅん。」
「ん。おはよ」
そう言って
鼻に ちゅ、っとキスがおりて
甘えるように、平野さんの首に腕をまわして
しっかり抱きついた
「……おはよ。平野さん」
「おはよ……早く帰っていっぱいキスしたいから、今日も巻いて、早く帰ろ」
「ぅん…わかった」
頬にも軽くキスがふって
ぎゅぅ…と 身体をくっ付けて
平野さんは自分の部屋に戻って行った
ただ、朝 起こしに来てくれただけで
すぐに帰っていったけど
…気にしてくれた
そう思うと
やっぱり 顔がニヤけた
急いでシャワーして、用意して
辻マネに連絡して、朝食会場に向かう途中で
平野さんと合流して
「いつ部屋に入ったんですか?」
「辻さんの一回目の電話の後。多分、起きないからって言われて……諦められてんな」
実際、起きなかったから 何も言えなかった
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涼杜兄妹(プロフ) - しろさん!!投稿うれしいです!!ずっと気長に待ってます!!ヒーローもヒーローじゃないもほんとだいすきな作品です!!!!!しあわせをありがとうございます!! (2022年12月31日 0時) (レス) @page42 id: a3aadc78c7 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 涼杜兄妹さん» 兄妹さん、いつも本当に、ありがとうございます。一緒に、乗り切りたいです。 (2022年11月5日 19時) (レス) id: 5865d39538 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - あやかさん» あやかさん、ありがとうございます。本当に、ありがとう。寄り添って待つ、本当に、本当に…… (2022年11月5日 19時) (レス) @page35 id: 5865d39538 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - しろさん…いつになってもいいので一緒に乗り切りましょう(´;ω;`) (2022年11月5日 17時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 私も心の整理がつきません。気持ちわかります。紫耀くんに寄り添って待ちましょうね。 (2022年11月5日 13時) (レス) @page35 id: 7505a656e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろ | 作成日時:2022年10月1日 11時