12 side 紫耀 ページ12
リビングで
置きっぱなしの
ゆうちゃんのカバンを
持ち上げると、目の前には二人の仕事予定が書かれたカレンダーが並んでいて
寝室で潰れて寝ているゆうちゃんが
真っ暗な部屋に帰ってきて
ここに立って何を考えていたのか
想像するだけで、胸が苦しくなった
俺が居なくて不安定になったゆうちゃんも
ゆうちゃんが居なくて不安定になった俺も
もぅ、離れることは 心底 嫌だから
迫り来る撮影終わり
お互いのキスシーンと
終わった後のゆうちゃんのアメリカ行き
そう、書かれたカレンダーを見て
心臓の音がカウントダウンのように 響いた
ベッドで身体の力を解き放って静かに眠る
ゆうちゃんの横に潜り込んで
伏せた長いまつ毛
俺の名前を呼んで、甘く強請る唇
あれだけ濃く、痛々しくつけたキスマークが
肌に馴染んでこれから消えて行くと思うと
無性に怖くなった
柔らかく俺の手のひらからこぼれる胸に
隠すように、薄く、新しいシルシを残した
俺にもつけて欲しい、とか
俺は男だし
突発的に脱ぐことだってあんだし
ゆうちゃんの唇を指でこすって
ゆっくりと口付けた
もぅ、不安も憂いも見逃したく無いから
ちゃんと思ったことを聞き出して
美人らしいライターさんも
才能あるらしい歌手の子も
知ってる人ではあるけど、俺が距離を詰める理由は見当たらないし
だいたい、俺は警戒心は強い方で
そんな数時間の仕事で知り合っただけの人を
疑いも無しに懐に入れたりしないって
誘いをかわす術は鍛えられたんだから
俺に聞く前に、勝手に
嫉妬してることに蓋をしようとしていたから
情けなくも精一杯、伝えて
そんな自分の感情を切り捨てるクセがついてるゆうちゃんのサインは
今後 俺が拾って 捨てさせないから
これから、何度でも 伝えるから
最初から印象が変わらない、軽い口調も
メンタルが金魚すくいのポイの様に、周りの水を吸って破れやすくて
ご飯食べるのに体力使うって、俺が一生理解出来なさそうな体質も
昔のド下手なタコダンスも
ヘラヘラ適当に笑うとこも
優しくされたら伸びます、って
ゆうちゃんにはしちゃいけないって
「…なぁにがこんなに好きなんだろ…ね」
アイドルが恋愛だなんて、バカだろ
眠ってる愛しい人に
俺の想いが染みるように
零れないように抱きしめて
口付けたまま 二人で 眠る
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涼杜兄妹(プロフ) - しろさん！！投稿うれしいです！！ずっと気長に待ってます！！ヒーローもヒーローじゃないもほんとだいすきな作品です！！！！！しあわせをありがとうございます！！ (2022年12月31日 0時) (
レス) @page42 id: a3aadc78c7 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 涼杜兄妹さん» 兄妹さん、いつも本当に、ありがとうございます。一緒に、乗り切りたいです。 (2022年11月5日 19時) (レス) id: 5865d39538 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - あやかさん» あやかさん、ありがとうございます。本当に、ありがとう。寄り添って待つ、本当に、本当に…… (2022年11月5日 19時) (レス) @page35 id: 5865d39538 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - しろさん…いつになってもいいので一緒に乗り切りましょう(´；ω；｀) (2022年11月5日 17時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 私も心の整理がつきません。気持ちわかります。紫耀くんに寄り添って待ちましょうね。 (2022年11月5日 13時) (レス) @page35 id: 7505a656e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2022年10月1日 11時
