29 ページ29
「俺が、彼女作れないから
余計に断言出来ないのも
あるよね。ごめん」
……まぁ、確かに
相手が平野さんでなければ、私自身は誰と週刊誌に撮られても芸の肥やしって思えるけど
でもそれは、この世界でのお互い様やし
「私は、平野さんと会えれば…関係はなんだって嬉しいんですよ。二年前に、思い知りました」
私も、何度も好きにならないよう頑張ったし
それが全て無駄やったわけやし
これから諦めなくていいなら、せめて
「早く…世間に認めて貰えるように…頑張りますから。会いに来てくれると嬉しいです」
不釣り合いなのはわかってるし
イメージも良くないのは知ってる
なるべく堂々と出来るように
これからの作品で魅せていかないと
ピッタリ 身体に沿うように引き寄せられて
「俺が、何をしても全てから文句言われない男になるから…ゆうちゃんは程々に…ね、してね」
「え、嫌ですよ。私が好感度頑張ればいい話じゃないですか」
「いや！十分評価されてるから！これ以上ってなったら、ゆうちゃんの相手役が海外スターとかになるかもじゃん！」
あ！そういえば！
こうなったら一応、言っとく方が良いのかな
「平野さんのドラマ撮影が終わったら、アメリカに一週間行って、高橋さんとの映画の撮影が終わったらまた一月程行きますんで」
「はぁ？もっと先かと思ったのに、そんなん聞いてない」
あれ？
薄々わかってて言ってるのかと思ったのに
「言ってませんね。今、言いました」
確かに相手がわかってるだろう、って思い込みは危険やな
言わないと伝わらない
…うん、そりゃそうだよ
「軽っ、軽すぎる…」
大袈裟な位脱力した平野さんが
グッと肩に力を込めて
「俺、今日帰らなくていい？」
ドキッとした
意味にも だけどそれ以上に
平野さんが言葉にした事で、私たちの距離が変わったんだと
思い知ったから
戸惑って
なんて言葉を返せばいいか 迷って
平野さんの首筋に少し力を込めて、私の方に顔を屈めるように
背伸びした私がちゃんと唇に届くように、って気付いた平野さんが
触れる直前で少し不貞腐れたように
「ちゃんと…言えって」
聞こえないふりをして
唇を塞いだ
明け方まで
気を抜けば強く縋ってしまって
痕をつけてないか謝る度に
追い詰められる度に
満たされていく事を
思い知った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しろ(プロフ) - 涼杜兄妹さん» こういうの、楽しいですよね(笑) (2022年10月2日 19時) (
レス) id: 5865d39538 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - ぎゃー！！！！！すきです！！！！焦ったい！！！！！！我慢の反動でもっといちゃいちゃしちゃいなよ！！！！（笑） (2022年10月1日 23時) (レス) @page47 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 涼杜兄妹さん» こういう、わかってるけど、納得してる訳じゃないよ、っていうのが初々しくて楽しいです(笑) (2022年9月29日 19時) (レス) id: 5865d39538 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - きゃー！！！紫耀くんかわいい！！はじめての女優友達でうれしい気持ちも分かってはいるけどヒロインちゃん取られて気持ち消化しきれないとか…天最高すぎます！！！！！ (2022年9月28日 21時) (レス) @page43 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 涼杜兄妹さん» 彼の心の中だけの愚痴だと思って、聞いてあげて下さい(笑) (2022年9月28日 19時) (レス) id: 5865d39538 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろ | 作成日時：2022年8月10日 14時
