【東京喰種】ないから喰われて続く (ページ4)

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第3話ページ4

空を見上げても、輝く星なんて見えなかった。
今日の天気が曇りだから仕方がない。
晴れていたら星が見えたのかな、とは思っても、この都会では無理かもしれない。

書類整理や何やらで、あっという間に襲撃日になった。
この区の住民には既に非難してもらっている。
あとは喰種を駆逐するだけ。

医療班は数人ずつに分かれ、捜査官と一緒に待機している。
本部からの指令で、捜査官の方達と突撃。
前線で負傷した人を安全な場所に非難させ、治療する。
医療班も戦闘はできるから、何かあれば戦闘に参加だ。

腕に付けた医療班の印を握った。
この印があるからと言って、命の保障があるわけではない。
むしろ普通より実戦経験が少なく、援護にまわることの多い医療班を狙ってくる奴もいるのだ。
捜査官より危険が大きいといってもいい。

「突撃開始一分前……」

私達は突撃部隊ではないから、一分後にはまだ行かない。
でも、初めての現地組だ。
ドキドキと心臓がうるさい。

「突撃！」

前方で複数の足音がする。

何かが壊れる音。
爆発する音。
悲鳴。
雄叫び。

誰かが負傷したのかもしれない。
誰かが喰種を倒したのかもしれない。

本部からの指令が入った。
先輩と捜査官の方の数人が前線へ走っていく。
もう戻って来れないかもしれないのに、その背中は恐怖など感じていなかった。

先輩たちの背中が見えなくなった頃、大きな爆発音がした。

「ちょ、本部の方から音がしたんですけど……！」
「落ち着け桃野。今本部と連絡を取る」

年配の捜査官の方が、本部と連絡を取る。
落ち着いていたその顔。
しかし、顔色が悪くなっていく。
ゴクリ、と唾を飲み込んだ。

「最悪だ……アオギリの樹だ」
「え！？」
「今回駆逐対象だった喰種集団が、アオギリと手を組んでいやがった！ちくしょう、二つに分かれてい」

ぐちゅ。

肉を潰すような音がした。
話していた人が血を吐いた。

「ぐ、喰種……！」

私達を取り囲むように、喰種が現れた。
まさか、ここに来るなんて。
本部からかなり離れているのに。
最悪だ。