【東京喰種】ないから喰われて続く (ページ3)

今日:10 hit、昨日:7 hit、合計:13,271 hit

第2話ページ3

ガチャリとドアを開けると、保健室のような匂いがした。

「おはようございまーす」
「はよー」
「おはよう」

気の抜けた挨拶をすると、何人かの先輩が返してくれた。
その他の人は書類に追われてそれどころじゃなかったり、昨日泊まった人は朝御飯と思われるパンを食べていたり。

「あれ、佐倉さんいないんですか？」
「あ、班長は怪我人どこ」
「キズはどれくらいですか？」
「腕をガブリとやられたらしい」
「そうですか」

私は喰種対策局、通称CCGの医療班に所属している。
ちなみに本部。
この中では新人だから、一番下っぱである。

「あ、デスクに桃野の書類置いといたよ。喰種のアジトを発見したらしいから、今週中に乗り込むよ」

先輩から渡された資料を読む。
どうやらアオギリの樹の時と同じくらい大きな喰種集団のアジトらしい。
アオギリの時、私はまだ学生で参加してなかったから詳しくは知らないけど。

「初の現地組に配属された」
「うわマジ！？桃野はやっ！」

現地組というのは、捜査官の方と同行してアジトまで行き、そこで怪我人の手当てをする医療班の事である。
そこでは前線へ行くこともあり、かなりのリスクがある。
だから新人は本部で待機する待機組になることが多い……とゆうか、絶対待機組なのだ。
もっとトレーニングを積んでから、現地組に入る。

だが、何故か新人の私は現地組に配属された。
なんでだ！

「それは俺が上に推薦したからー」
「うぎゃ」

すると、背中にめっちゃ重力がぁぁぁぁ！
重力ってゆうか、先輩が私に体重をかけてくる！

「ちょ、佐倉さんギブギブ！」

バシバシと彼を叩くと、素直に従ってくれた。

「なはは、俺のおかげだユーコ」
「いやでも私新人ですし」

この人は佐倉という、医療班の班長。
なんでも有馬さん並みに強いらしいのだが、私はよく知らない。
何かと構ってくる人だ。
ハッキリ言うとウザい。
つかみどころがないのだ。

「それより私、仕事しないと」

そう言い椅子に座ると、電話が鳴った。
出て対応すると、捜査官の方だった。

「○○橋で負傷者あり！ただちに現場へ向かえ！」

「○○橋で負傷！」

その言葉に全員の目が鋭くなった。
この時の動きだけは捜査官には負けない。
人の命がかかっているのだ。
すぐに向かう準備をする。

「私行きます！」

ダッシュで○○橋へ向かう。

こんな日常。