ポーカーフェイス:os ページ4
「もう一回!!次は負けないから!」
「また〜?てか、そのセリフ何回目?もう聞き飽きたんやけど〜」
「次は絶対、私が勝つから!もう一回やろう!!」
「別にいいけど、また俺が勝つと思うよ〜Aポーカーフェイス下手やし」
女の子みたいなふわふわした笑い方
私とはまるで違う。
傷心に浸る私にお構いなしで、彼はカードをシャッフルさせながら言った
「次はなにする?ジジ抜き?大富豪?」
「私が勝てるゲームならなんでもいい」
少しムッとしながらコップの中の水を飲んだ
「ムツカシイ事言うねぇ。ないと思うけど」
「あるし!!ばかにしないでよ!!」
「ハイハイ。じゃあ大富豪でいい?」
「今さらだけど二人でやってもあんま面白くないよね。別にいいけど」
「ええんかい」
茶番劇を混ぜつつ、切られたトランプをとった
カードとにらめっこしながら並べ替える
今まで、まんちゃんとゲームをして勝ったことがない。強すぎるのだ、彼は。まるでイカサマをしているかのように
「ねー、まんちゃん」
カードを素早く並べかえている彼に声をかけた
「ん〜?」
「なんでそんな強いの?イカサマでもしてる?」
「してるわけないやろ、流石に」
「じゃあ、なんでそんな強いの?」
「Aがわかりやすいから」
「ぜぇったい嘘だぁ〜。私、他の人とゲームしたら必ず『ポーカーフェイス上手いね』って言われてるもん。絶対嘘だ」
「嘘じゃないよ」
「じゃあなんで、」
そこまで言って、彼と目があった。綺麗なみどりいろの目。いつもは細い目を、少し大きく開いて、彼は言った
「好きな女の子のポーカーフェイスなんか、すぐ見破れるやろ。どんなに上手くてもさ。いつも見てるんだし」
唖然
ぽかん、とする私
まんちゃんはくすくす、と笑った
「A顔赤いで?」
いたずらっ子のような笑みに手が震えた
このあと、カードをばら蒔いて水を盛大に溢して、またまんちゃんに笑われたことは言うまでもない
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作者名:ちあきのこ | 作成日時:2017年3月1日 22時