【ONEPIECE】悪の華【ドフラミンゴ】 (ページ7)

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ふたりの秘密ページ7

「おいA、紹介しておく。こいつは俺の弟のコラソンだ。
長い間行方不明だったが、やっと戻ってきた」

『ボスの弟ということは、私にとっても義弟ね。
よろしくお願いします』

コラソンと紹介された長身の若い男はペコリとお辞儀をする。

「あぁ、こいつはしゃべることができない。
過去のつらい体験によってな、声を失ってしまったんだ」

『そうなんですね』

――

『コラソンさん。いらっしゃい。一緒に紅茶でもいかが？』

紹介されてしばらくしてから、コラソンが一人でAの部屋を訪ねてきた。

「おい、お前みたいなヤツがなぜここにいる。
兄のような化け物の傍にいては危険だ。すぐに逃げろ」

『あらしゃべれるんですね。よかった。
ボスと喧嘩でもされたの？』

「お前、分かっているのか？
ここは海賊のアジトで、奴らは私利私欲のためなら何でもする海賊だぞ！！」

『ええ、そして私はボスの婚約者で貴方はボスの弟』

「お前の国のことはドフラミンゴから聞いた。
戻る場所がないというのなら、海軍に保護を申し出ても…」

真剣に説得しようとするコラソンをAは不思議そうに見つめる。

『コラソン。貴方は海軍と通じているのね』

「ドフラミンゴに言うか？」

『いいえ、ボスは行方不明だったあなたをなんの疑いもなく受け入れた。
私も、可愛い義弟をありのまま受け入れるわ』

「俺はドフラミンゴの弟として兄の暴走を止める。
なぜ心優しい父や母からあんな悪魔が生まれてしまったのか…」

『ねぇ、コラソン。ボスのこと教えて。
そうしたら、しゃべれることも黙っていてあげる』

Aはにっこりと笑って椅子をすすめる。

コラソンは目の前の少女の真意に少々戸惑いながらも、椅子に腰かけた。

「ああ、その前にコラソンというのはファミリーのコードネームだ。
本名はロシナンテ。幼いころは兄からロシーと呼ばれていた…」

ロシナンテの口から出たのは、ドンキホーテ兄弟のマリージョアでの出生。
父と母と共に天竜人の地位を捨て、地上に降りてきてからの住民による惨い仕打ち。

怒りを溜めたドフラミンゴはトレーボル達に力を与えられ、父を殺めてマリージョアに戻ろうとしたこと。

「…これでドフラミンゴの危険さが分かっただろう？」

『ええ、彼の魅力が深まったわ…』

Aは手を口元に当てながら独り言ちた。