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イ「これでいいか?」




長「はい。ご配慮ありがとうございます。」




イ「それで、話とは何だ?」




長「はい。…殿下は月下香の歌姫というのはご存知で?」




それはナノカの裏世界での通り名であった。





イ「…あぁ、聞いたことはあるな。」





長「その歌姫というのはこのナノカという者なのです。」




イ「ほぅ。ナノカという者。今いくつだ?」





あ「はい。18でございます。」




イ「ふむ。」





長「イザナ殿下。この者を殿下の夜のお供にと思いまして。」




ゼ「!!!?…………。」




イ「良かろう。」





ずっと黙って聞いていた。正直、イザナ殿下は断るお方だと思っていたので気が沈む。
顔には出さないけど。




するとイザナ殿下は兵を呼び、なにやら箱を持ってこさせた。
その箱には、クラリネスの通貨がぎっしり詰まっていた。





イ「これで良いか?足りなければ言え。」





長「いえいえ!!!充分でございます。では今夜から。2週間後に迎えに参ります。宜しいでしょうか?」





イ「あぁ。2週間の間は城下町の宿に泊まるのか?」





長「えぇ。町で少々公演をしたいと思っております。」





イ「そうか。町も賑やかになる。存分に公演しなさい。」





長「有り難きお言葉。では失礼します。」






そう言って団長は私を置いて帰っていった。
暫く部屋に沈黙が続く。





イ「ナノカと言ったな。」





あ「はい。」







イ「私の部屋に付いてこい。」






ゼ「お言葉ですが兄上「ゼン、明日の朝食後私の部屋に来い。」…分かりました。」





イ「では行くぞ。」






あ「はい。」






イザナ殿下と二人で静かな廊下を歩いた。
気まずい沈黙が続く。
チラッとイザナ殿下を見た。



綺麗で真っ直ぐな瞳…。その瞳に何を写して何を思っているのだろう。




イ「私の顔に何かついているか?」





前を向いたまま私に尋ねる。





あ「い、いえっ。そういう訳では…。」





イ「そうか。」





それから、イザナ殿下の部屋に着くまでお互いに無言だった。

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設定タグ:イザナ , オビ , 赤髪の白雪姫   
作品ジャンル:アニメ
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月華(プロフ) - ぴろろんぱさん» ありがとうございます! (2018年4月24日 16時) (レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)
ぴろろんぱ(プロフ) - 月華さん» 再開してくれてほんとによかったです!これからもずっと見続けるので頑張ってください!!! (2018年4月24日 16時) (レス) id: 6a697b7639 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - かりそめの蘇生さん» ありがとうございます!自分でもどうなるか分かりませんが、今後ともよろしくお願いします! (2018年4月24日 15時) (レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 続きがずっと気になっていたので、更新再開してくれてすごく嬉しいです!これからも頑張って下さい! (2018年4月23日 15時) (レス) id: 30c6595324 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - ぴろろんぱさん» ありがとうございます!コメント見て、元気をもらいました!初めての作品で拙い文章ですが、よろしくお願いします。 (2018年4月23日 12時) (レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2017年8月25日 21時

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