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私はオビに向かって両手を伸ばした。




オ「え、いいんですかい?」



あ「自分から言っといてしないの?」




ムスッと頬を膨らます。




オ「じゃ、そっちいきますね。」



木から窓辺に移って、窓の横の枠に背中を預ける。



オ「ここに座ってください。」




そういって自分の足と足の間を指差した。
男の人はそこに座られるのが好きなのだろうか。


言われた通りに腰掛けるとゆっくりと優しく、けれどもぎこちなく身体を包み込まれた。



あ「...あったかい。」



オビの腕に頬を寄せる。



オ「はぁ〜。こんなことしたの初めてですよ。」



あ「そうなんだ。私はこの前イザナにされた。」



オ「兄殿下が!?こんなことするんですか...。意外。」



あ「そうかな。イザナは必要とあらば誰にでもしそうだけど。」



オ「まぁ、そう...ですね。」








その言葉がそういう響きを隠しているのかは分からなかった。








ふと空を見上げる。今夜は満月だ。



あ「ねぇ見て、オビ。綺麗な満月よ。」





オビも空を見る。





オ「あぁ、綺麗ですね〜。月はまるで全てを見透かしているように感じる。」




あ「そうかもね。でも私はあったかく感じるわ。

  孤独で寂しい時も哀しい時も、月の光が私を包んでくれた。

  叶うなら、死ぬ時も満月の光に抱かれながら終わりたいわ。」




月を愛おしそうに見つめる月華。





オ「そんな悲しいこと言わないで下さいよ。」




そういって月華を見たオビは息を飲んだ。

なぜなら月の光に照らされ哀しく微笑んでる月華は艶やかで扇情的だったからだ。



目の置き場所に困って、外に目を逸らす。哀しい満月がオビに微笑む。









オ「......月華。」









あ「ん?...なに?」









オ「月下香の歌姫って、もしかして。」









あ「あぁ、うん、そう。私月下香の花に似てるんだって。


  私と寝た、貴族の人が、そんなあだ名を付けた...。」









オ「そう...なんだ。歌に酔いしれるからだと思ってた。」









あ「まぁ、それもあるみたいだよ。





  月下香って暗くなるほど芳香が強くなる、濃艶で扇情的な夜の花って言われてるんだって。






  表社会でも裏社会でも通用するもってこいのあだ名だって、団長が喜んでた。









  ...実際そのおかげで名声が高まったからね。」









オ「...辛かっただろうに。」

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設定タグ:イザナ , オビ , 赤髪の白雪姫   
作品ジャンル:アニメ
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月華(プロフ) - ぴろろんぱさん» ありがとうございます! (2018年4月24日 16時) (レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)
ぴろろんぱ(プロフ) - 月華さん» 再開してくれてほんとによかったです!これからもずっと見続けるので頑張ってください!!! (2018年4月24日 16時) (レス) id: 6a697b7639 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - かりそめの蘇生さん» ありがとうございます!自分でもどうなるか分かりませんが、今後ともよろしくお願いします! (2018年4月24日 15時) (レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 続きがずっと気になっていたので、更新再開してくれてすごく嬉しいです!これからも頑張って下さい! (2018年4月23日 15時) (レス) id: 30c6595324 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - ぴろろんぱさん» ありがとうございます!コメント見て、元気をもらいました!初めての作品で拙い文章ですが、よろしくお願いします。 (2018年4月23日 12時) (レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2017年8月25日 21時

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