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ゼ「そんな事が……。」
あ「最初は憎かったです。団長のすることが怖くて憎くて…。でもそれが日常になると、感覚が麻痺してくるんです。それが一番恐ろしかった。
いつ殺されるか分からない状況なのに、団長に褒められると嬉しいって思う自分が居て。
おかしいって思います。洗脳されてる自分が怖いです……。」
底なし沼に沈んでいくような恐怖に堪えていた涙が溢れ出す。
イ「大丈夫だ。必ず俺が終わりにしてみせる。」
そういって抱きしめられた。
あ「ぐずっ………はいっ。」
イザナの言葉が嬉しかった。どんなに願ってもかけられなかった言葉が漸く届いた。
暫くして泣きやんだ私はイザナの腕をはずして、イザナとゼン殿下に向き直った。
あ「…長々とすいません。聞いていただいて嬉しかったです。ありがとうございました。」
ゼ「いや、こちらこそ苦しいことを話してくれて感謝している。ありがとう。必ず、無くそう。」
イ「俺もだ。だから死ぬなよ？」
あ「分かりました。」
死ぬなよと言われたのがまるで私を必要としてくれている気がして、少し嬉しかった。
イ「さて、計画の続きだが、ナノカに梟で一週間上手くいっていると連絡してもらい、一週間後の三日間俺が城を空けることになったと伝える。団長の事だ、その三日が惜しくて別の貴族でも引っ掛けて、ナノカをそちらに寄越すだろう。そこを叩く。」
ゼ「しかし、その貴族をどうやって見つけるのですか。」
イ「お前の伝令係と鳥の連絡手段を使う。」
ゼ「はぁ…あいつを使いすぎではありませんか？」
イ「ふん。あやつは使いやすいからな。」
あいつ？あやつ？って誰だろう…。
あ「あの〜、あいつって誰ですか？」
イ「ん？直に分かるよ。」
あ「そう、ですか。」
イ「ゼン。」
ゼ「はい。なんでしょう。」
イ「朝食後から夕食前まではお前にナノカを預ける。夕食は一緒に食べる。あ〜、ナノカに付けるという従者も一緒に食べて構わんぞ。」
ゼ「分かりました。」
イ「ではナノカ、ゼンについて行け。楽しい一週間にしてこい。」
あ「はい！ありがとうございます！」
たった一週間だけかと思ってしまう私は、もうこの二人の王子に心を許し、近くに居たいと願ってしまったんだ…。
こんな気持ちはきっと兄さん姉さんと一緒に居たとき以来だ。
イザナとゼン殿下が居る…絶対に終わらせる。
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月華(プロフ) - ぴろろんぱさん» ありがとうございます！ (2018年4月24日 16時) (
レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)
ぴろろんぱ(プロフ) - 月華さん» 再開してくれてほんとによかったです！これからもずっと見続けるので頑張ってください！！！ (2018年4月24日 16時) (レス) id: 6a697b7639 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - かりそめの蘇生さん» ありがとうございます！自分でもどうなるか分かりませんが、今後ともよろしくお願いします！ (2018年4月24日 15時) (レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 続きがずっと気になっていたので、更新再開してくれてすごく嬉しいです！これからも頑張って下さい！ (2018年4月23日 15時) (レス) id: 30c6595324 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - ぴろろんぱさん» ありがとうございます！コメント見て、元気をもらいました！初めての作品で拙い文章ですが、よろしくお願いします。 (2018年4月23日 12時) (レス) id: 76bcbfb3bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華 | 作成日時：2017年8月25日 21時
